黄水仙(きずいせん)が盛りですネ。
4月20日~七十二候・その15[葭始生/あしはじめてしょうず]
蘆の芽や流れゆるやかなるところ/神谷さうび

二十四節気の穀雨・初候、葭始生。
葭(葦)=「悪(あ)し」で縁起が悪い、
ゆえに、後に、ヨシ(良し)と呼ばれた。
植物分類学的にも「ヨシ」であります。
他、芦、蘆、とも書く。
水辺の葭(葦)が芽吹き始め、
山の植物、野の植物が緑一色に輝き始める頃。
日本神話に出てくる葦舟、
また、葭簀(よしず)といわれる簾(すだれ)や屋根などに形を変え、
古くから、我々日本人の生活になくてはならない大切なモノでありました。
青々と茂っている葭(葦)は、夏の季語、春は、葦の芽。

葦の芽のあはひを白き羽毛かな/小澤克己
地平線とり巻く葦の芽吹きかな/三関浩舟
舟みちは蜘蛛手に葦の芽ぐむなり/益本三知子
蘆の芽の育ちて雁の声とどく/岡田真澄
葦の芽にひらがなの波通り過ぐ/村上幸子

2018/04/20・本日【穀雨/こくう】
春菊の胡麻和え旨し・・・。
4/20・本日・【百閒忌/ひゃっけん】、木蓮忌。
河童忌の庭石暗き雨夜かな
茶の花を渡る真昼の地震かな
古井戸の底の光や星月夜
漱石忌戻れば屋根の暗さ哉
本日、4月20日は、内田百閒/うちだひゃっけんの忌日です。

1889年(明治22年)5月29日~1971年(昭和46年)4月20日
木蓮忌の由来は、
『木蓮や塀の外吹く俄風(にわかかぜ)』の句にちなみます。
夏目漱石の門弟とりなり、芥川龍之介と親交を深めた。
関東大震災後、随筆集『百鬼園随筆』がベストセラーとなる。
百閒句を幾つか。
薫風や本を売りたる銭(ぜに)のかさ
物干しの猿股遠し雲の峰
竜天に昇りしあとの田螺かな
衣更へて傘干す土手を歩みけり
古井戸の底の光や星月夜
袋戸棚に砂糖のにほふ日永哉
犬聲の人語に似たる暑さ哉
欠伸して鳴る頬骨や秋の風
五臓六腑繪解きの色や秋の風
麗らかや長居の客の膝頭
獨り居の夢に尾もあり初枕
さみだれの田も川もなく降り包み
砂濱を大浪の走る夜の長き
春立つや犀の鼻角根太りて
大なまづ揚げて夜降りの雨となり
新堀の河童の床の魚骨哉
龜鳴くや夢は淋しき池のふち