12/15・本日・【青邨忌/せいそんき】
祖母山も傾山も夕立かな
これよりは菊の酒また菊枕
鶺鴒の庭歩みしが吾も歩む
藻疊はよきや鴨たち雨の中
広瀬川胡桃流るる頃に来ぬ
梅一輪山を圧して咲けりけり
蘭の名はマリリンモンロー唇々々
朴落葉いま銀となりうらがへる
開き見る忘扇の花や月
十二月十五日、俳人の山口青邨/やまぐちせいそん・・・・の忌日デス。

1892年5月10日~1988年12月15日
1988年(昭和63年)没。
享年九十六歳。
高浜虚子の教えを受け、
水原秋櫻子らと東大俳句会をつくる。
有名な四S時代の提唱者でもある。
四S=水原秋桜子・高野素十・山口誓子・阿波野青畝♪
1929年、「ホトトギス」同人、以後終生同人で在籍。
1930年、盛岡市で「夏草」を創刊、選者ののち主宰。
弟子は早々たるメンバーです。
古舘曹人、深見けん二、有馬朗人、斎藤夏風、黒田杏子[夏井いつきの師]。
「あなた方は詩人なのです。
詩人はよく見て、たっぷり感じて、
本当の日本語で自分の心を表現する人ですよ。
大切なのは詩人のたましい。
表現者の人間性です」
俳句を学ぶ学生達に対して、
山口青邨が指導された時の言葉だそうです。
あの偉大なる、藤田湘子先生も大変感銘を受け、
以来、自著でもこの言葉を何度も紹介しています。
【青邨忌】
とまゆらの時雨とほりぬ青邨忌/小林巳之
一穢なき冬青空や青邨忌/中田小夜
青邨忌近づく身辺整理かな/岩井久美恵
初雪のみちのくに在り青邨忌/林田美音
ドイツ製鉛筆を愛で青邨忌/有馬朗人
青邨忌冬の挨拶はじまりぬ/斎藤夏風
俳諧もこの世のさまも青邨忌/深見けん二
一声を満座の中に青邨忌/古舘曹人
りんご煮てお写真を立て青邨忌/黒田杏子
DE。
私が特に好きな山口青邨の句を五句。
みちのくの雪深ければ雪女郎
みちのくの町はいぶせき氷柱かな
凍鶴の一歩をかけて立ちつくす
雲の中すこし雲燃ゆ秋の暮
人も旅人われも旅人春惜しむ
今夜アタリは雪女郎(雪女)がでそうですね。