映画『沈黙 -サイレンス-』を観た。。。島原の乱以降の物語。
『沈黙 -サイレンス-/原題:Silence』

原作は、遠藤周作である。

代表作はすべて映画化されたことになる。
『海と毒薬』
『深い河』
そして、この映画の原作の『沈黙』

いろいろと考えさせられた映画でした。
神の沈黙・・・なぜ神は沈黙を続けるのか。
信仰とはなにか?
え!と、思うトコロも多々ありましたが、
なかなか面白かったデス、久しぶりのオススメちゃん。
まず、イッセー尾形が超凄かったぁ~。
怪演である、素晴しいの一言に尽きるなぁ。

さらに、窪塚洋介も大健闘、見直したっ。

え~、私が原作の沈黙を読んだのは中学生のときで・・・、
正直内容は憶えていない・・・CHU~か難しかったハズ。
星新一のファンで、そのエッセイの登場人物の、
吉行淳之助、北杜夫、遠藤周作、安岡章太郎、阿川弘之など、
一時かなりを読んだのだが、純文学を読むのにチト早過ぎたのです。
それで、ちょっと疑問に思うのは、島原の乱以降の、
キリシタンの弾圧はかなり薄れて形骸化したのでは?
島原の乱の勝者は、島原の乱の生き残りのキリシタンと思われる。
実際、隠れキリシタンに、その後幕府はほとんど手を出さない。
「宗門心得違いの者」として、別に括り分け、
穏便にキリスト教の信仰を黙認したのである。
ゆえに、映画のようにここまで苛烈だったのか?
との、時代考証の不思議は多少はあるのだが・・・。
で、この作品の主役はイエズス会の【神父・padre/パードレ・ポルトガル語】だ。
イエズス会はカトリックであり、その修道者のうち、
司祭職にある者をパードレと言った。
はい、遠藤周作はクリスチャンでカトリック教徒なわけデス。
でで、ココで声を大にして言いたい。
日本でキリシタンや宣教師たちが弾圧された大きな理由は五つ。
誤解しては行けません、不条理にやたら反対したワケではないのです。
日本の植民地化を目指していた事。
昔[戦国時代]、日本人の子供の海外への人身売買に大きく関与していた事。
神道や仏教の教えを著しく歪曲してキリスト教へ洗脳していた事。
異教徒を悪魔的な扱いをして、日本の既存宗教と共存しなかった事。
保護していた秀吉の時代、イエズス会が為政者の意見を一切聞き入れなかった事。
その延長上に徳川幕府の強力な取り締まりがあるのでアリマス。
そのアタリも描いて欲しいと思いましたが、ね。
パードレが、日本で奇形化したカトリックを嘆くシーンがあります。
でも、私は、おいおい、違うだろ~、ち・が・う・だ・ろ・ハゲ~って思うわけです。
マルティン・ルターの宗教革命がナゼ成功したのか?
ジャン・カルヴァンの大改革がナゼ成功したのか?
その時代のカトリックがあまりにも為政者主義、金権主義で腐敗していたからなのでは?
さらに、ルター以降も、魔女狩りの暗黒時代は続くわけですが・・・。
この映画のままだと、ネ、当時の日本が、
「日本は神道と仏教の国だからキリスト教は不要であり邪教だぁ~」
CHU~事なんだが、それはヤヤ浅はかで、
日本人の宗教に関する度量の深さを知らないと言う事だよね。
そもそも、仏教だって、新興宗教だったわけで、
既存宗教の神道も、当時はアニミズムの域を出ずに、
神話として、国家的宗教として確立されるのは、
古事記や日本書紀の編纂を待たなくてはならないでしょ?
仏教は伝承の過程で、奇形化し、日本で独自の進化を遂げる。
それは、すべての宗教に共通して言える事なのではないでしょうか?
宗教は、発生、分裂、融合、を、繰り返しているのだヨ。
日本にキリスト教が根付かない、理由は、
キリスト教が「畸形」になる「沼」だとパードレは言うのだが、
根幹は、神道も仏教も多神教であり、アニミズム、自然崇拝がアバックボーン。
ユダヤ教もキリスト教もイスラム教も圧制や弾圧の中で勝ち抜いて守られた宗教。
日本は、自然災害が信仰のベースとなっているわけで、
そのあたりの違いは歴然と言うべきで、違って当然なのである。
運の良い事に、一度も【植民地化】の経験がナイのも、
この宗教混在?を招いている要因だろうと思いますがネ。
イッセー尾形。
ロサンゼルス映画批評家協会《助演男優賞》次点に輝く、
以下、その時の写真らしい・・・。

アンドリュー・ガーフィールド、リーアム・ニーソン、アダム・ドライバー。
イッセー尾形の長年のファンとして、誇らしい限りであります。
注~同原作の篠田正浩監督による、『沈黙 SILENCE/1971年』は、
パードレの棄教に至る経緯など、大幅な改変をされており似て非なる作品であると思う。
1/11・本日・鏡開き♪

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