1/20・本日・【乙字忌/おつじき】
本日、一月二十日は、俳人、俳論家の、
大須賀乙字/おおすがおつじの忌日デス。

1881年7月29日~1920年1月20日
河東碧梧桐の門下として、
喜谷六花、小沢碧童と共に「碧門三羽カラス」と称された。
碧梧桐の主宰する自由律俳句の結社「海紅」に属したが、
海紅堂事件など結社内部抗争により「海紅」を離れた後、
俳誌「石楠」を臼田亞浪と創刊したが、亞浪とも袂を分かつ。
また、「層雲」の荻原井泉水も対立・・・結局「ホトトギス派」に収まる。
エリート意識、もしくは元来の気性ゆえか、
各結社の主宰や同人を撫で斬りの如く扱い、
激しい主張と対立を繰り返した。
新傾向俳句の旗手となり運動のロ火を切ったが、
後に伝統を尊重する側に変った・・・40歳で夭折。
以下、乙字の句。
今朝秋のよべを惜みし灯かな
凩に木の股童子泣く夜かな
寒中の毛衣磨れば火の走る
干足袋の日南に氷る寒さかな
漆山染まりて鮎の落ちにけり
砂丘はなるる月のはやさよ月見草
雁鳴いて大粒な雨落しけり
青嵐蚕棚を払ふ天気かな
木移りの栗鼠の影とぶ冬の月
道遥かに荒海に沿ふ寒さかな
野遊びや肘つく草の日の匂い
夜雨しばしば照り極つて秋近し
山雲を谿に呼ぶなり閑古鳥
木の股に木の葉と堪えふ秋の水
火遊びの我れ一人ゐしは枯野かな
巣鴉をゆさぶつてゐる木樵かな
辞世の句
干足袋の日南に氷る寒さかな
