1月30日~七十二候・[鶏始乳/にわとりはじめてとやにつく]

二十四節気の大寒・末候、鶏始乳。

鶏が春の気を感じ、たまごを産み始める頃。
鶏は元々一年中産卵するのですが、
10時間以上の日照があると産卵が促進されるため、
春から夏にかけてが、卵をたくさん産む時期となります。

昔、寒い時期の卵は、栄養が高く滋養に良いとされた。
日本へ弥生時代に家畜化されてモノが伝来したらしい。
一般的に食されたのは17世紀ごろかららしい。
『日本書紀』にも鶏卵に宇宙の比喩として使われている。
ぬく飯に落として圓(円)か寒卵/高浜虚子
寒卵煙も見えず雲もなく/知久芳子
ひとすぢの柔毛はなさず寒卵/鷹羽狩行
産みたての温みを握る寒卵/佐々木スガ子
横になる言葉を立てて寒卵/中原道夫
鶏始乳は、二十四節気の最後[七十二候の終候]、となり、
[大寒・鶏始乳]を過ぎると、暦の上では春となり(立春)、
新しい節気と候が始まる、今年は、二月四日からであります。
2018/01/30【俳句愛好会・幹】今月の句、落掌致しました。
新年の季語、【雑煮】、でした。
他、冬&新年の季語の自由題・・・。

投稿いただいた会員の皆さんには、
添削&アドバイスを2月6日ごろまで送付します。

で、次回の兼題は、冬の季語、【風花/かざばな】です。
晴天の寒風に乗ってキラキラTO雪片が儚げに舞い降りる。
美しくも眩しい自然現象・・・誰が名づけたか、風花・・・・・・。

以下、例題と、個人的評論、
違ってたらゴメンなさい・・・・ネ。
しかし、過大評価?されるほど?良い句でありますZO!
風花やライスに添へてカキフライ/遠藤梧逸
*偶然の[風花]を見ながらの外食、
[風花]の美しさに踊る心、非日常の幸福感。
風花や野布施の菓子の堅づくり/中原道夫
*野布施とは?葬場で参会者に分け与える施物。
参列した作者への思いがけない野布施[のぶせ]は、
故人が好きだった?お供えの昔ながらの堅めの和菓子。
風花やわれに寄り添ふ母の墓/加宮貴一
*作者の心は、[風花]と自分と母に寄り添って幸福である。
[風花]も供花か?それとも母との想い出か?母の愛は海よりも深し。
風花や紅茶の好きな人とゐる/松木知子
*暖かい部屋の中で恋人?と紅茶を飲んでいる。
コーヒーよりも紅茶が好きなのだ・・・窓の外には[風花]
あら、お砂糖のようね、などと会話が弾んでいるだろう。
風花や蹤(つ)き来てそれし一少女/角川源義
*作者の後ろから一人の少女がつき従う様にずっと歩いて来ている。
作者と少女の二人きりなのだ、ゆえに、少女を意識しつつほのかな気持ちもアル。
二人の微妙な距離を保ちつつ歩いていたら、別れ道でフイに少女は道をそれてしまった。
不思議な寂しさで、少女の後ろ姿を追うと[風花]の舞う中に少女は歩いている・・・。
作者は少女が見えなくなるまで立ち尽くす。
風花やこんなに軽き母の骨/緑川啓子
人の命も、雪の欠片も、儚い・・・・。
母の葬儀が終わり、骨壷が抱えると、
あまりの軽さに涙が止まらない・・・・。
瞼に[風花]がついては消え・・・慰められているようだ。

他、冬&新年の季語で自由題とします。
締切は2月26日です。