12月27日～七十二候・その65［麋角解／さわしかつのおる］

世の中よ道こそなけれ思ひ入る山の奥にも鹿ぞ鳴くなる／皇太后宮大夫俊成

武蔵野や一寸ほどな鹿の声／松尾芭蕉



二十四節気の冬至・次候、麋角解。

ヘラジカの角が生え変わる頃。
枝分かれした大きな角が抜け落ち、
春にまた新しい角が生え始めます。
と、言うのはどうも違うようですね・・・。

実は、中国の珍獣、シフゾウ（四不像）だと言われています。



では、今回は、『鹿』にて・・・。

蝦夷鹿の眺める海もオホーツク／早崎泰江

神域に鹿のハーレムありにけり／近藤喜子

おもむろに鳥居を潜る神の鹿／上野恵津子

正倉院展出でてのひらに鹿の息／河崎尚子

万燈の闇に鹿の目ひかりけり／長谷川史郊

さて、そろそろ山も眠るか・・・。

「冬山惨淡として眠るが如し」by臥遊録。

春・山笑ふ、夏・山滴る、秋・山粧ふ、そして冬は「山眠る」だっ。


山の擬人化、雪や風が無い穏やかな日和の山が、
まるで静かに眠っているような雰囲気であると・・・。

ゆえに、山眠るは、この時期の季語ですネ。



いづこへも足を絡めず山眠る／恩田侑布子

缶コーヒー膝にはさんで山眠る／津田このみ

月細く山の眠を守りけり／巌谷小波

山眠るうすむらさきのゆめはじめ／豊田都峰

熱気球ふんはりふはり山眠る／宮原みさを

1923年12月27日・【虎ノ門事件】・四大逆事件の一つ。

1923年12月27日、極左活動家の難波大助（犯行当時24歳）が、
皇室廃止論を掲げて、皇太子裕仁親王（昭和天皇）を襲撃し、暗殺しようとした。

これにより、第2次山本内閣は警備の不手際の責任を取って総辞職した。



また、難波大助の父は、衆議院議員であり、事件当日に辞職し、
息子の遺体の引き取りを拒否し、閉門蟄居して断食し、餓死しました。

12/27・本日・【椋鳩十】no忌日。

本日、十二月二十七日は、作家の椋鳩十／むくはとじゅうの忌日デス。



１９８７年（昭和６２年）没、享年８２歳。

児童動物文学においては右に出る者無しと、断言したい。

私が一番最初に読んだ、と！記憶のある本の作者である。

しかし、最近の子供達は読んでいるのだろうか？

シートン動物記は有名であるが、それ以上に感動を与えてくれた。

もっと、もっと、評価されてもイイ人物である。

誕生の地、長野県下伊那郡喬木村に椋鳩十記念館。
代用教員として赴任し後に、県立図書館長となる地、
鹿児島県に椋鳩十文学記念館がある。

小学校用の国語の教科書でも採用された、
「大造じいさんとがん」という作品が有名デス。



機会があれば、是非、一読を・・・。