氷下魚(こまい)釣り。
12月17日~七十二候・その63[鱖魚群/さけのうおむらがる]
鮭釣りの夕日背負ひて戻りけり/藤村美津子
二十四節気の大雪・末候、鱖魚群。

鮭が故郷の川を産卵のため遡上する頃。
私の地元の川にも鮭が遡上しますが、年々減少しています。
母が幼少の頃は大根と鮭の値段が一緒だったらしく、大根鮭と呼ばれていたらしい。
とても信じられない話でありますが・・・また、この時期、川は鮭で真っ黒になったとか・・・驚きッス。
で、現在も、昔の方法での鮭漁が行われています、伝統とはそう言うモノでしょう。
三面川(みおもて)の光よろひて鮭遡る/千田敬


鮭は秋の季語でありますが・・・。

死ぬために故郷へ帰る鮭のやうに/櫂未知子
跳ぶ鮭の上跳ぶ鮭の堰堤越す/上原瑞子
鮭打つて帰る夜道の生臭し/河口仁志
上りたる鮭に修羅場といふ大河/稲畑廣太郎
北上に逆波の立つ鮭颪/杉江茂義
鼻づらを撲たれし鮭のはらら子よ/内藤ゑつ

梟が鳴いていたなぁ~。

昨夜、野暮用の帰り道・・・森の奥から梟の声が・・・。
ホッホ~ホッホ~・ゴロスケホッホ~ホッホ~♪
ヨーロッパでは智慧の象徴、森の賢者と呼ばれ親しまれておりますが、
日本では長らく、見ると不吉な事が起きる鳥、死の象徴とされてきました。
で、冬に聞く梟の声は恐いよネ~、と、言うコトで、冬の季語らしいです。
この梟には、どうも想念の句が多い様に思うのですが・・・そう思うのは私だけ?。

梟が笑ふ目つきや辻角力/小林一茶
ふくろふの声ふところに孤独かな/高屋窓秋
梟がふはりと闇を動かしぬ/米澤吾亦紅
梟となり天の川渡りけり/加藤楸邨
ふくろうはふくろうでわたしはわたしでねむれない/種田山頭火
抱かれたし白ふくろふの子となりて/森尻禮子
ふくろふに昼の挨拶してしまふ/尾池和子
梟に影を奪われ悶絶す/小栗釣月
