パクリ企画・・・俳句・にゃんこ大会、その二。
猫よりも先に春へとたどりつく/倉富洋子

で、二月二十二日の猫の日は、仔猫ちゃん特集の予定です。

雑炊や猫に孤独というものなし/西東三鬼
帰り来ぬ猫に春夜の灯を消さず/久保より江
猫下りて次第にくらくなる冬木/佐藤鬼房
鮎やけば猫梁を下りて来し/杉田久女
炎天に一筋涼し猫の殺気/村上鬼城
犬入院猫退院の月夜かな/波多野爽波
まづ出でし猫の鈴鳴るふくさ藁/森澄夫
買初の小魚すこし猫のため/松本たかし
春風や城下の辻の猫会議/小栗釣月

椅子に猫丸く寝ている小豆粥/遠藤梧逸
ほんとうに居ますか猫に触れてみる/大西泰世
猫を見る人を見てゐる万愚節/佐藤弓牛
曖昧に生きてもゆける猫の足/櫟田礼文
たましいの振りかえるとき冬の猫/あざ蓉子
猫パンチしかないなんて秋の空/ひとり静
ももいろの猫抱きこれからがおぼろ/時実新子
春社白猫は神の憑代/小栗釣月

さて、と・・・、2020、新譜Ⅰ。
お世辞でも良かったと言われると嬉しい、励みになる。
ちなみに演奏会場のオーナー様のコメントがこちら→『楽屋的日常』
他、ジョイントLIVEのオファーも頂き、調子をコイテおり、新譜をアレコレ。
で、一応、決まりました、三曲。
Let It Be/THE BEATLES

Stardust/Hoagy Carmichael

Wohl mir, daβ ich Jesum habe(主よ、人の望みの喜びよ)/Johann Sebastian Bach

後は、JAZZを検討中。
え?今風の曲はやらないのかって?
やらなぁぁぁぁぁぁぁい、古い曲が楽しいのね。
正に、温故知新でありますぅぅぅぅぅ。
さて、春の雨だよ。
出かけようと思ったけど無理だね。
では、ギターで新譜を弾くかな。
旧暦2月16日[2月15日]・【西行忌】
とまり木に隠れ心や西行忌/石田波郷
西行の桜になりし月夜かな/正岡子規

「心なき身にもあわれはしられけり鴫たつ沢の秋の夕暮れ」
有名な三夕(さんせき)[「注1・秋の夕暮れの歌」]のひとつ・・・・知らない人はいないでしょう。
宗祇・芭蕉も、西行に憧れたのです。
そして、今もなお、人々を旅に誘うのです。
旧暦の2月16日が本当の忌日?らしいのですが、
旧暦の2月15日は、釈迦の入滅の日、また、満月にもちなんで、
前日の2月15日でイイジャン?説もあり、忌日が二つあります。
ま、どちらでもいいですね。
歌聖・・・・・西行法師の忌日です。

出家して法号は円位、のちに西行、大本房、大宝房、大法房とも称しました。
【願はくは花の下にて春死なむその如月の望月の頃】

自ら詠んだこの歌の通り、
如月(きさらぎ・旧暦の二月、今の三月)の桜満開の望月(もちづき、満月の意味)に入寂されたそうです。
西行の逸話は、あまりにも多くて紹介できません。
興味がある人は、本がタクサン出ていますのでお読み下さい。
白州正子「西行」、辻邦生「西行花伝」が,読み応えがありますネ。
西行がいたおかげで、俳句や短歌が後世に残っていると言っても過言ではありません。
芭蕉の奥の細道は、まさしく西行を旅していたのです。

芭蕉の西行LOVEは、もはやスト~カ~、変質者レベルです、その話は機会があれば・・・・。
では、西行作[諸説あります]と、言われてる有名な歌をいくつか。。。。
惜しむとて惜しまれぬべき此の世かな身を捨ててこそ身をも助けめ
最上川 つなでひくとも いな舟の しばしがほどは いかりおろさむ
何事のおはしますかはしらねどもかたじけなさに涙こほるる
吹きわたす風にあはれをひとしめていづくもすごき秋の夕暮
み吉野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒く衣うつなり
吉野山こぞの枝折の道かへてまだ見ぬ花の花を尋ねむ
『西行忌』
今日ばかり花も時雨よ西行忌/井上井月
西行忌我に出家の意(こころ)なし/松本たかし
ほしいまま旅したまひき西行忌/石田波郷
咲く花に散る花に雨の西行忌/相馬黄枝
夕月のすでに色ある西行忌/鷲谷七菜子
枯れてゆく喜びもあり西行忌/松田都青
亡き父にとゞく葉書や西行忌/寺山修司
行く水に花のまぼろし西行忌/角川春樹
つらつらと花の夢見し西行忌/小栗釣月
蛇足、幕末の英雄にして超インテリだった、高杉晋作。
「西へ行く人を慕うて東行く 我が心をば神や知るらむ」と歌い、東行と号した。
もちろん、西へ行く人とは西行のことを言っているワケであります。
西行法師は、死して、なお、人を旅へ、遠くへと、誘うのです。

《注1》三夕とは~日本の「秋の夕暮れ」を歌った短歌のBEST3。
前出の、
「心なき 身にもあはれは 知られけり 鴫立つ沢の 秋の夕暮れ」/西行法師
「さびしさは その色としも なかりけり 真木立つ山の 秋の夕暮れ」/寂蓮法師
「見渡せば 花も紅葉も なかりけり 浦の苫屋の 秋の夕暮れ」/藤原定家
旧暦・二月十六日・【井上井月/いのうえせいげつ】の忌日。
井月の墓前にて。
墓なでさすりつつはるばるまいりました/種田山頭火
私が大好きな俳人・・・井上井月。
寝て起きてまた飲む酒や花心
蝶に気のほぐれて杖の軽さかな
水際や青田に風の見えて行く
春風や碁盤の上の置手紙
降るとまで人には見せて花曇り
ほととぎす旅なれ衣ぬぐ日かな
ひとつ星など指さして門すずみ
魂棚や拾はれし子の来て拝む
落栗の座を定めるや窪溜り
我道の神とも拝め翁の日
目出度さも人任せなり旅の春
鳥陰のささぬ日はなし青簾
水仙や今朝突ぬけし花袋
手元から日の暮れゆくや凧(いかのぼり)
初鮭やほのかに明けの信濃川
雁がねに忘れぬ空や越の浦
酒となる間の手もちなき寒さ哉
何云はん言の葉もなき寒さかな
本日、二月十六日は、元祖?漂白の詩人。
風狂の人、井上井月の忌日です。

文政5年(1822年)? - 明治20年2月16日(1887年3月10日)
越後高田藩(長岡の説も)に生まれ、のち長岡藩で養子になったらしい。
本名は井上克蔵とも、善光寺大地震で、妻子、一族すべて失ったとも。
京都へ行って貞門派の俳諧連歌を学び、
あれこれあって、あちこち彷徨い???
伊那谷[現、長野県の南部]に姿を現します。
以来約30年の間、この地で死去するまで、
上伊那を中心に放浪生活を続けました。
地元では、
「乞食井月」・「シラミの問屋」
などと呼ばれていたようです・・・。
大勢の文人に影響を与えていますが、
芥川龍之介や種田山頭火が有名です。
あの、つげ義春が作品化している、なかなかの傑作であります。

【井月忌】
美篶てふ里の名ゆかし井月忌/西本一都
みすずかる伊那谷に空井月忌/松田ひろむ
丸い月四角に観ゆる井月忌/小栗釣月
何処(どこ)やらに鶴の声聞く霞かな(井月辞世の句)
井上井月顕彰会→[顕彰会HP]
伊那谷を代表する俳人→[伊那市HP・井上井月の紹介]