今日は、暖かかった、で、『暖か』は、春の季語。
霞(かすみ)Ⅱ。
ヨク聞かれるのがネ~霞と霧ってどう違うんですか?
確かにわかりにくいカモですネ~。

霞は春の季語デス。
霧は秋の季語デス。
これは気象学用語ではないコトにご注意下さい。
霞は「たなびく」、
霧は「たちのばる・たちこめる」。
季語としての霞は、春の山野にたなびく暖かな水蒸気。
森羅万象が悉くほのぼのと薄れゆく淡い景色DE、夜は霞を、「朧」と呼びます。
季語としての霧は、秋の冷たく細かな水の微粒子が、白い煙のように立ちのぼる事。
霞は、ほんわか暖かく軽いイメージ。
霧は、鋭利で冷たくやや重いイメージ。
と、私は思っています。

孤島なり霞のなかの落日は/金子兜太
富士山を霞の奥に見失ふ/稲畑汀子
曳船の霞んで上る隅田川/及川澄江
遠霞む開門橋までゆくところ/大東由美子
霞むほかなき山々の霞みけり/有働亨
父は霞みて母は朧に在します/大橋麻沙子
準急のしばらくとまる霞かな/原田暹
尾根筋の込み合うてゐる霞かな/土井田晩聖
古墳秘め夕べの山河霞みをり/村越化石

3/12・本日・【星野麦人/ほしのばくじん】命日。
真黒な蝶の行方を知らぬかな
壷焼や栄螺訪ひ寄る宵の人
金魚売水を零して去りにけり
枝豆の豆とばしるや人の顔
たのうだる蓼もて来る八百屋哉
瓜数多浮べしことく泳き哉
蛙子乃動けい濁る日南かな
秋風や咲残りたる百日紅
それきりてあとは月夜の霏(かすみ?)哉
多摩川や底の小石も玉の春
花ちるやただおもしろく花ちるや
借りて来し鍋大いなり薬喰
本日、三月十二日は、
星野麦人/ほしのばくじんの忌日デス。
1877年~1965年、昭和40年3月12日死去、88歳。
尾崎紅葉に師事。
また、角田竹冷らの秋声会、正岡子規の句会にも参加した。
明治34年「俳藪」を創刊、42年秋声会の「卯杖」を合併して「木太刀(きだち)」と改称,主宰した。
俳諧史・古俳句研究も有名。
では、麦人の句を幾つか。
富士見るや今日と聞えし山開
うるむ夜やオランダ苺母に買ふ
桐畠の晴上りたる二月かな
昼酒のから口にして寒の明け
婆や子や春来て信濃国境
早春や径小上りに雑木山
春浅し日向薬師の藪の径
冴返る日もありえごの道踏めば
南天を剪る日の余寒ありにけり
春寒の水落すなり薬草園
春めくや格納庫より単葉機
夏帽の紐など噛むや余所心
蝙蝠やとなりの大工帰りけり
先生の帷子古き講座哉
1876/03/12「半ドンの日」
明治九年の、この日より、日本の官公庁で土曜半休・日曜休日制が実施されました。
半ドンって、多分、死語?私アタリがギリなのか???
では、なぜ?半休が、半ドンなのかと言いますと、一説には、明治四年(1871年)から皇居で毎日正午に、大砲(午砲・ドン)を撃っており、土曜日はドンとともに仕事が終わるコトからとか。
やつと半どん桜蘂がち嫩葉がち/林翔
走り梅雨半ドン釣師水漬きつ//平井さち子
打水や今日半どんのブリキ職/変哲(小沢昭一)
半ドン・・・本当に懐かしい言葉だなぁ。
3/12・スイーツの日。

スイーツの日は、2008年に制定されました。
「ス(3=スリー)イ(1)ーツ(2)」の語呂合せデス。
さて、スイーツなどと言う、コジャレタ言い方はココ最近であります。
私が幼少の頃は、お・か・し・DEありましたぁぁぁぁぁぁぁぁ。
で、俳句で御菓子をよんだ傑作?をいくつかご紹介・・・。
春先の和菓子の色がこそばゆい/榎原和正
両の手に桃とさくらや草の餅/松尾芭蕉

草餅に鶯餅の粉がつく/岸本尚毅
街の雨鴬餅がもう出たか/富安風生
乗り継いで鴬餅は膝の上/小田玲子

大仏蕨餅奈良の春にて木皿を重ね/河東碧梧桐
蕨餅本家と元祖向き合ひて/田中冬二
ちなみに、有名なお菓子の季語(春)。
草餅、鶯餅、蕨餅、桜餅、雛菓子、などなどデス。
指跡の兜のケーキ初節句/八島律子
洋菓子は名前が長いから、なかなか詠み難いんですヨね。