2020/06/29【俳句愛好会・幹】今月の句、落掌致しました。
十月頃、吟行句会を計画中。
詳細は早めにお知らせします。
さて、今月の俳句愛好会[幹]のテーマは、【噴水】でした、他、夏の自由題。

投稿いただいた会員の皆さんには、添削&アドバイスを七月五日ごろまで送付します。
で、次回の兼題は、『雷』です。

日本海側で雷と言えば冬ですが、全国的には夏に最も多いので、夏の季語となります。
夏の夕立を伴いながらの雷は、やはり迫力がありますよね、恐怖も倍増です。

で、この雷の科学的現象は100%解明されていません。
雷の素は、ザックリ静電気です、冬の乾燥期のパチパチするヤツね。
詳しくはググッて下さいマセ、なかなか興味深いですよ。

傍題は多いです。
「神鳴」、「いかづち」、「遠雷」、「日雷」、「軽雷」、「落雷」、「落雨」、「雷鳴」、「雷神」、「迅雷」、「はたた神」、「鳴神」、などなど。
でで、注意!【稲妻】は秋の季語なんで、使えません。
あ、雷、恐い人は、無理して読まなくて良いですヨ、自由題へシフトOK(笑)。
では、例句。

昇降機しづかに雷の夜を昇る/西東三鬼
もろ、三鬼ですね、三鬼らしい句デス。
不穏なる風景の演出なら、三鬼の右に出るものはいないのでは?と、思わせる一句。
「雷の夜」、この時間と空間の演出が素晴らしい。
文明の象徴でアル高い建物の昇降機(シースルーEVか?)の静けさ。
自然界の猛威の象徴でアル真夜中の雷の轟きと光。
人口と自然・静と動・弱と強、見事な取り合わせです。
美しくかみなりひびく草葉かな/永田耕衣
<かみなり>とひらがなにしたのは一気に読ませるためか?
雷が鳴るのでは無く、響いている事に注目しなくてはいけない。
昼の雷が光る、草葉も一瞬閃光を浴びる。
その光の後に音が響いて、大地と草葉と己が揺れ響いたのだ。
ゆえに、この句は、二段構えと言う事になる。
美しく、などと言う言葉は、普通ベタ過ぎて俳句では使わない。
いわゆる、陳腐とされてしまうが、それしか言い方がなかったのだろう。
自然の驚異、その美しさに作者は立ち止まったのだ。
目と耳と、そして天と地を、同時に、うつくしく刺激されたのだ。
『迅雷やおそろしきまで草静か/原石鼎』も同じような心境であろう。
雷落ちて八十年を顧る/後藤夜半
と、いうコトは、八十歳の時の句であろう。
作者は八十一歳まで生きた。
落雷の一瞬のキラメキに走馬灯の如く過去を顧みたワケだ。
時間と空間を数秒で切り取り、自らの人生を重ねたのだっ。
一生は、長く、短く、一度きりである。
雷は一瞬の煌めきであるが、恒久的になんども繰返される。
短い命、永遠に近い自然、この二つを対比させた、無常感漂う名句である。
雷が落ちてカレーの匂ひかな/山田耕司
ちょっとトボケタ句である。
作者には、落雷の閃光が黄色く見えたようだ。
そして、なんと(笑)、黄色=カレーを連想して、さらに匂いまでもスルと言う。
発想の意外性、いや、奇抜性だ、なんとも不思議な感覚・・・滑稽感が溢れる一句です。

できれば、実際に雷に怯えながら?、詠んでみましょう。
他、夏の季語で自由題デス、締切は、七月三十日です。
けっきょく、「ニューシネマパラダイス」を借りてくる(笑)。
「トト、ローマへ戻れ。
そして、一度村を出たら何十年も帰ってくるな。
人生はお前が見た映画とは違う。人生はとても厳しいモノだ。」
人生の大切な事は、アルフレッドに学んだっ。
七月のLIVEで演奏する、イタリア映画、『ニュー・シネマ・パラダイス』の≪愛のテーマ≫。

クラシック用の楽譜をさらにマッタリ風にアレンジして完璧と悦に入り練習を重ねたが・・・。
な・ぜ・か・イマイチ???
技術面ではない、感情移入もバッチリ、いったい何が悪いのか・・・。
で、最後の手段、再び、映画を観るしかない、ってコトで、借りて来ました(笑)。
はぁ、いったい、わたしは、ナニをやっているのだっ(大汗)。
【ニューシネマパラダイス】

え?映画ばかり観てないで、練習しろ?
ごもっとも(汗×汗)。
山女(やまめ)、渓流の女王様デス。
釣られたる雪代山女身を反らす/田川江道

イメージ的には早春の川魚であるが・・・夏の季語となっている。
山女魚とも書く、渓流の女王とも言われる。
渓流釣りと言えば、山女と仰る釣師が多い。

桜鱒の幼魚が、海に下らず河川にとどまり成魚になったものを山女という、と、歳時記にあるが・・・。
そうそう、後輩某が、年間数万円の桜鱒の遊漁券(つり券・入漁券)を私に見せて自慢げに言いました。
先輩、お世話になってるんで近いうちに桜鱒を一匹丸ごと進呈しますヨ、がはははは。
と、言われて、早、十五年・・・どうなったのかなぁ~、桜鱒・・・・(笑)。

渓流に山吹の花が咲く頃に、山女のカタが良くなると言われているので夏の季語となったらしい。
まぁ、私は釣りはしないが、先輩には優秀な渓流釣師が多く、渓流の女王様の講釈はヨク聞くのであります。
『渓流では、岩魚よりも、断然、山女釣りが難しい』とのコト。

昔、出張先の山梨県で山女の洗いを酢味噌で食したが、まさしく美味、女王の味であった。

もちろん、塩焼きも最高であった、忘れられない味、あ~喰いたしっ。

山女釣熊笹葺いて渓ごもり/山口青邨
巌を打つ水の雄心山女釣/飯田龍太
山女釣りいつしか空の狭くなり/岡野俊治
山の宿月山見つつ山女焼く/小栗釣月

大串に山女の滴なほたるる/飯田蛇笏
山女釣晩涼の火を焚きゐたり/水原秋桜子
毛針喰い裂かれて焼かれて塩山女/小倉喜郎

蕗の葉に山女三匹空青し/福田甲子雄
山女魚棲む水を唇つけて飲む/杉本安紀子
水透けて山女一閃朱を曳ける/丸尾和子

で、最期は、山女酒。
雪代の山女に熱き酒を注ぐ/陣野今日子
前山は桐のかぶさる山女酒/伊藤多恵子
塩焼の天魚山女と辛地酒/小林正史
酒の湯に再び泳ぐ山女かな/小栗釣月

金魚藻がゆらゆらり。
某所で金魚藻を見ました・・・久しぶり、懐かしいデス。

金魚藻は、夏の季語です。
で、他にも水草がいっぱい、いわゆる水草コレクター。
水槽に水草だけなんて味気ないっすけど、まぁ、他人の趣味ダカラね、ご自由にってコト。
せめて、海老とか貝とか入れたらって言ってみたが、

「水が汚れる」そうである・・・そうかなぁ~、藻とか無くなるじゃん。
と、言おうと思ったが・・・止めましたっ、でもネ(笑)殺風景っすネ。
金魚藻に金魚からまる金盥(かなだらい)/小栗釣月
金魚藻にせばめられつつ溝の水脈(みお)/川島彷徨子
金魚藻に雨の重さの伝はりぬ/西村好
金魚藻の奥にも夕日漂へり/甘粕世紀夫
金魚藻の揺れて小沼の眠りかな/池上樵
極暑にて金魚藻ばかり浮ぶ鉢/能村登四郎
