遅ればせながらの・・・葉桜。

どうしても、葉桜には死者の影が・・・。
遺児けふは葉桜の影満身に/石田波郷
葉ざくらとなり鉄棒に亡兄がいる/室生幸太郎
葉桜の陰に見送る背中かな/小栗釣月
桜が散った寂しさ、でも、桜若葉の美しさも良いのであります。
さらに、来年の桜にも思いをはせるワケで・・・まぁ、来年があれば、ネ(笑)。

葉桜の若々しい元気を詠むか?
葉桜の陰と影の不穏さを詠むか・・・だっ。
葉桜の中の無数の空さわぐ/篠原梵
葉ざくらや陽の細切れにハムサンド/小栗釣月

高橋睦郎、曰く。
「日本人は桜病」なんだそうだっ。
「花は桜」で、「葉も桜」だと、私は思います。

葉桜に時の太鼓や午の雨/西山泊雲
葉桜に正体みせぬ大使館/横山白虹
葉ざくらに消ゆべき天とうちあふぐ/石橋秀野
葉桜が生きよ生きよと声かくる/相生葉留実
葉桜や橋の上なる停留所/皆吉爽雨
葉桜よ黒猫を抱き抱き殺す/坪内稔典
葉桜の万の囁き夜の椅子/森大暁
ライギョの斑ゆく葉桜のさわぐ/小栗釣月

鯵の旬は夏。
鯵くふや夜はうごかぬ雲ばかり/加藤楸邨

鰯、鯖、そして鯵、庶民の魚BEST3でありましょう。
鯵の名前の由来は、味から来ているとも・・・。
平安時代の『延喜式』で神饌や行事の記述に鯵の名がある。
また、、江戸時代の『本朝食鑑』では魚の中で鯵が一番だとベタ褒めだ。
瀬付きあじ(内湾に住み着いたモノ)は、夏が旬らしい。
中でも黄色の光沢を放つ「金あじ」は、珍重されてブランド化された。
小ぶりの鯵を関東では『ジンタ』と呼ぶ、仁丹(小粒?)からとの話。
また、夏の風物詩の一つが鯵の「たたき」である。
青紫蘇・生姜・茗荷を刻み、新鮮な鯵をたたきにして、冷酒で食す。
う~ん、たまらんデスわぁぁぁぁぁぁ。

他、味噌を加えて、「なめろう」

「なめろう」を焼いて、「さんが」、寿司、素焼き、マリネ、などなど。

そうそう、友人から釣りたての鯵をもらった事がある。
で、驚いた事に、超新鮮な鯵は身体がピンと張っていて、曲がっているんだわ。
弓形の鯵の目玉に射抜かるる/小栗釣月
現在のように鯵が一年中出回っていない時代の句がやはり良いわ。
ささ塩を振て客まつ小鯵かな/井上井月
やりくりの思案の鰺をたたくかな/鈴木真砂女
天然の鰺だ天然の塩ふる/橋田サカエ
小鯵焼く妻や厨の片襷/巌谷小波

昔は、夕暮れになると鯵売りがやって来たのだと言う。
夕暮れ時と鯵を取り合わせた句は多い。
古きよき時代の日本の原風景だ。

夕河岸の鯵売る声や雨あがり/永井荷風
夕鯵を妻が値切りて瓜の花/高浜虚子
夕鰺を割く手早さよ弥撒了へて/鷹野清子
坂がかり夕鰺売りの後に蹤く/能村登四郎

久し振りに鯵が食べたくなったZO。
旧暦六月十日・本日・『緒方洪庵/おがたこうあん』の命日。
現在の大阪大学医学部及び慶應義塾大学の源流とされる、適塾を大阪に開き、数多くの優秀な人材を育てた。
天然痘治療に貢献し、日本の近代医学の祖とも言われる。

文化7年7月14日(1810年)~文久3年6月10日(1863年)
洪庵の一番の功績は、創設した適塾から、幕末から明治維新にかけて活躍した、多くの人材を輩出したことにある。
それも第一級の人物が多い・・・例えば、福澤諭吉、大村益次郎、橋本左内、大鳥圭介、久坂玄機、佐野常民など。
ここで、洪庵が自分自身への戒めと、医師の義務を愛弟子に伝える為に著した、とても有名な、十二か条の医戒の一部を紹介したい。
ちなみにこれは洪庵のオリジナルではありません。
フーフェランド教授の「扶氏医戒之略」緒方洪庵訳であります。
全条は、とても長いので、掲載するのは、第一条のみです。
興味のある方はググッてみて下さい。
その第一条の意味は、深く重い・・・。
一、人のために生活して、自分のために生活しないことが医業の本当の姿である。
安楽に生活することを思わず、また名声や利益を顧みることなく、ただ自分を捨てて人を救うことのみを願うべきであろう。
人の生命を保ち、疾病を回復させ、苦痛を和らげる以外の何ものでもない。
すごいね、これを実践していたんです。
さて、洪庵は、
司馬遼太郎先生が最も尊敬した人物とも言われています。
司馬遼太郎著、二十一世紀に生きる君たちへ (併載:洪庵のたいまつ)の、『洪庵のたいまつ』の一部を引用して、終わりたいと思います。
この本は是非ご一読いただきたいデス。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
『洪庵のたいまつ』
世のために尽くした人の一生ほど、美しいものはない。
ここでは、特に美しい生涯を送った人について語りたい。
緒方洪庵のことである。
この人は、江戸末期に生まれた。
医者であった。
かれは、名を求めず、利を求めなかった。
あふれるほどの実力がありながら、しかも他人のために生き続けた。
そういう生がいは、ふり返ってみると、実に美しく思えるのである。
といって、洪庵は変人ではなかった。
どの村やどの町内にもいそうな、ごくふつうのおだやかな人がらの人だった。
病人には親切で、その心はいつも愛に満ちていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
・・・続きは著書で。
『洪庵のたいまつ』は、平成元年から教科書『小学5年国語』(大阪書籍)に掲載されました。
蛇苺、近頃は見かけませんネ。

昔はドコにでもたくさんあったのにネ。
田舎の子供は野にアルものはなんでも食べました。
しかし、蛇苺、別名毒苺には手をつけなかった、なぜなら、祖母や母親から毒があるから絶対に食べるなと言われていたからだっ。
実はそれはまったくの濡れ衣で毒などはない、が、すこぶる不味いらしい(笑)
ただ、ジャムにするみたいネ、さらに大変効用のアル漢方薬らしいですWA。
とは言え、蛇苺には、なにやら呪いの様な暗い陰がアルわけでありますヨ。
その先はもう踏み入れぬ蛇苺/河野美奇
山中の病みしところに蛇苺/遠藤若狭男
汚名着て雨に耐へゐる蛇苺/曽根久順
こんなに熟れて泣きたくなる蛇苺/滝沢環
敗軍の将の饒舌蛇苺/赤座典子
蛇苺摘み捨てし谷暗くなる/大串章
水音は草の底より蛇苺/ふけとしこ
蠱毒とも丑の刻とも蛇苺/小栗釣月

6月10日・ひし美ゆり子様のお誕生日。


で、ひし美ゆり子様のお嬢様がまたまた別嬪さんなんですわぁ~。
真・女立喰師列伝(2007年) / 金魚姫 鼈甲飴の有理役は必観デス。
ゲスト出演、怪獣倶楽部〜空想特撮青春記〜 第4話(2017年6月・TBS)も、素晴しかったッス。
あ、Blogはこちら→《あれから50年・・アンヌのひとりごと》