栗の花も珍しい時代のようで・・・。
子供の頃住んでいた庭には、とても大きな栗の木がありました。

私が小学生の頃までは、普通に町中に栗の木と柿の木があったものですが・・・。
栗、柿、無花果、グミ・・・みんな切り倒されてしまいましたネ~。
夏の季語の栗の花には蝶がたくさんやってきますネ~。

樹液にはカブトムシやクワガタムシが大集合、栗は昆虫に大人気デス。
そうそう、国蝶のオオムラサキも樹液を吸うのですヨ。

ちなみに経験から・・・栗の樹液の臭いも咽るほど濃厚でありますWA。
栗は縄文時代から日本人の食用になっていたらしい・・・茹でて食べたのかしら?
日本全土に存在した百をこえる栗の品種が、チャイナから持ち込まれたクリタマバチにより、
昭和二十年代にほとんどが消滅した・・・現在は抵抗力のアル種のみ生き残っているのだそうです。
まったく、チャイナはネ~、この国にかかわるとろくな事が無い。

墨置くや裏山に栗花ざかり/竹内悦子
自販機にしやがむ警官栗の花/佐山哲郎
雄花落つ勝ち誇ったり栗雌花/桑原敏枝
栗咲いて大気のよどむ昼下り/高垣和恵
総身に花栗の香や山くだる/見田英子
花栗の匂ひの誘ふ旅疲れ/宮平静子
ふるさとの一番ホーム栗の花/高野春子
朔にても花栗さそふ夜であり/小栗釣月

麦藁蛸(ムギワラタコ・章魚)に祭鱧、京都では初夏であるが・・・。
をさをさと麦藁蛸を茹でてをり/岡井省二

あをぞらへあをうみの章魚干しかかげ/渡邊白泉

飯蛸は春の季語、そして、蛸、蛸壺は夏の季語DEある、章魚とも書く。
と、言ってはみたが、歳時記のすべてに夏季もしくは季語として掲載されているワケではないので、念の為。
ゆえに、他の季語と組み合わせる事多し。
蛸、個人的に大好物、どんな料理でもOKだよね~♪
やっぱ、蛸の滑稽感が読み手をニヤケさせる。

一休の蛸さげて行く師走哉/政岡子規
しぐるるや切られて白き蛸の肌/鈴木真砂女
テレビ涼し蛸釣のこつなど話し/藤田湘子

「蛸壺やはかなき夢を夏の月」と、アルのでまぁ、夏と言う事で良いでしょう。

はかなき夢の蛸壺は骨壺としても面白く/荻原井泉水

蛸かかし濤はしづかになりにけり/飯田蛇笏
蛸が嘆くよ 肢に指輪を嵌めつらね/三橋鷹女
章魚沈むそのとき海の色をして/上村占魚

生きていることの烈しき蛸つかむ/吉田汀史
わが足のああ堪えがたき美味われは蛸/金原まさ子
*足を食べるのはストレスからなんだってサ、まじか?

夜遊びの明石の蛸といふ奴で/岡井省二
蛸は塩で揉むものまだまだ男盛り/伊丹三樹彦
蛸壺に明石大橋悪夢なり/百合山羽公
蛸と海女坊主と禿の絡み合ひ/小栗釣月

麦藁蛸~蛸は麦の熟れる麦秋の頃が旨くて旬、との理由でむぎわらだこ。
また、関西地方では、夏至が過ぎた半夏生に蛸を食べる習慣が昔からある。
黒南風(くろはえ)吹く。
この風が吹くと空が暗くなるので【黒】南風なワケです。

で、もともとは船乗りの間で使われていた言葉なのだとか。
戦艦の黒光して黒南風来/小栗釣月

梅雨の初めの暗い雲から来る南風を黒南風(くろはえ)。
梅雨がカラリと明けて青い空に白い雲から来る南風を白南風(しろはえ)。
古の日本人は湿度の重量感?を黒と白の色によって区別したのだヨ。

黒南風の岬に立ちて呼ぶ名なし/西東三鬼
黒南風や無色無臭の象の檻/戸恒東人
黒南風のこうもり傘にぶらさがる/三宅やよい

黒南風の吹きのこしたる余呉の駅/山尾玉藻
黒南風や嘆きの果ての深睡り/柳生千枝子
黒南風のべろのべろべろ大阪は/坪内稔典
黒南風やヴァンプの毒に魘(うな)さるる/小栗釣月

旧暦6月15日「長岡・米百俵デー」
旧暦六月十五日〈寛元四年〉 道元禅師が越前大佛寺を永平寺に改称。

詳細はこちら→『禅の里・まちづくり委員会』
と、こちら→【大本山永平寺ホームページ】

生を明らめ死を明らむるは仏家一大事の因縁なり、
生死の中に仏あれば生死なし、但生死すなわち涅槃と心得て、
生死として厭うべきもなく、涅槃として欣うべきもなし、
是時初めて生死を離るる分あり、唯一大事因縁と究尽すべし。
by『修証義』
