ガストのタッチパネルに苦戦した件。
木下闇(こしたやみ)の陰鬱。
木の暗の繁き尾の上をほととぎす鳴きて越ゆなり今し来らしも/大伴家持
望月の駒牽く時は逢坂の木の下闇も見えずぞありける/恵慶法師

須磨寺や吹かぬ笛聞く木下闇/松尾芭蕉

夏の季語、木下闇。
傍題は、下闇(したやみ)・青葉闇(あおばやみ)など。
鬱蒼と茂る夏木立の根下の暗がり、昼なのに闇が深く重い。
視覚の状況にもよるが、なにやら不穏な気分になる。
万葉集では、木下闇風に、木の晩(このくれ)・木暮(こぐれ)が使われている。
古の歌には、夏の昼の闇のイメージは無い、江戸期の俳諧がそのように限定したのか?

黒塀もまぎるるほどの木下闇/鷹羽狩行
木下闇足音に憑くわが足音/豊田都峰
もいっぺん振り向くやろか木下闇/中原幸子
木下闇おいてけ堀の水の泡/菊池和子
火を焚くやさらに奥なる木下闇/水野恒彦
木下闇抜けて戻りし己が影/高柳かつを
山姥のひそみゐるかも木下闇/長沼紫紅
野鼠を野良猫喰らふ木下闇/小栗釣月

明るいトコからは闇は見えないけどサ。
闇からは明るいところがヨ~~~ク見えるんだよぅぅぅぅ。
きゃぁぁぁぁぁ。
「磯の鮑(あわび)の片思い」ってなんだ?
伊勢の海人の朝な夕なに潜(かづ)くといふ鮑の貝の片思かたもひにして/万葉集・詠み人知らず
手に取るがからに忘ると海人の言ひし恋忘れ貝言ことにしありけり/万葉集・詠み人知らず
なぜ?鮑が片思いと関係あるの?との疑問でありますが、二枚貝ではない、貝が片方無い=片思いとの連想か???

万葉の時代、鮑玉と呼ばれる天然真珠は鮑で作ったのです。
で、驚く事に現在でも少量ながら生産されているらしいッス、凄いぃぃぃ。

鮑、他に、鰒、蚫とも書く。
昨日の、スルメ烏賊の佐渡の話の続きであります。
貧乏学生はキャンプと言っても、たいした道具も無く、釣竿と炭と魚を焼く網?
食料は、基本現地調達、とは言え、缶詰と米、酒、煙草は所持。
その当時は、佐渡のお米はあまり美味しくなかったようで、本土の米を持って行くとなんとでも物々交換してくれた。
キャンプ場は毎年決まっており、姫崎灯台の下である。


元燈台守の老夫婦がキャンプ場の敷地を管理していた。
使用料(管理料?)は、その老夫婦へ渡す米だった(笑)。
その当時、女性は誘ってみたが誰も来なかった・・・身の危険を感じたか、あははは(笑)
よ~するにキャンプが今のように全然オシャレじゃなかったのデス。
で、姫崎灯台はアイナメの穴場でしたわ、いわゆる入れ食いなのでありますヨ。
しかし、超旨いからと言っても、さすがにアイナメばかりでは飽きちゃうワケね。
スルメ烏賊も、さすがに毎日は貰いにいけネ~し、と、言う事になり・・・、で、貝を獲にり行くワケだっ。
潜ってまで獲りません、岩肌で獲るのです、それでも、サザエやアワビがゴロゴロいるのです。

そこに、突然、ダイビングスーツの漁師さんが、貝獲りをしている私たちに近づいてきます。
ヤバッ、怒られるのか、と、思いきや・・・。
『おい、おまえら、いくら獲っても良いから全部ココで食べていけっ、もって帰るなよ、いいなっ』
はぁいぃぃぃぃぃ、と、返事をしたのは、言うまでもアリマセン。
そうなのです、持って帰ると犯罪なのです・・・泥棒になっちゃう。
でで、サザエは壷焼き、アワビはステーキ、いやぁ~、最高に旨いのですWA。
特に、踊り喰いがモゥ~・・・ただネ~、なんともネ~、可哀想で美味しいの(汗)。

鉄板の生け贄となる鮑かな/小栗釣月
残虐の限りを尽くし鮑焼/小栗釣月
アワビ、すまんかった・・・。

潜かんと空へ身反らす鮑海女/柴崎英子
三潜海女見事な黒の大鮑/室伏みどり

この胸のボタンとなりし鮑かな/加藤みき

鮑は高級ボタン。
浜焼きの二個千円の大鮑/高橋峰村

島見する鷹巌頭に鮑焼く/角川源義

刺身、酒蒸し、ステーキ、アワビは貝の王様です。

夕焼のながかりしあと鮑食ふ/森澄雄

あ~、佐渡もずいぶん行ってないなぁ~。
アイナメも佐渡のヤツが一番上手かったなぁ~。
アイナメ(鮎並)の話は明日(6月26日)の予定ネ。
あ~、梔子の花の芳しっ。

梔子(くちなし)は、常緑低木、花は夏の季語であります。
巵子、支子とも書く、果実は染料となる、いわゆる梔子色。
また、乾燥果実は、山梔子[さんしし]・梔子[しし]とも呼ばれ、生薬・漢方薬の原料、黄疸などにもちいられる。

雨三日花梔子の銹(さび)色に/安斎久英
くちなしの花錆びるときなほ香る/町山公孝
口なしの淋しう咲けり水のうへ/松岡青蘿
くちなしやジャズ流れたり夕まぐれ/大坪あきら
雨激しくちなしの錆落とすかに/小川玉泉
梔子の花の暮れゆくにほひかな/天野美登里
銹置きし花梔子の散れぬ性/坂上香菜
くちなしやかのくちびるのあまいよる/小栗釣月
花が錆びるとは、白い花が黄褐色へ朽ちて錆色に変色する様。
ゆえに、錆びていると表現しています、特に梔子の花は錆びても花が落ちない。
将棋盤の足は梔子を象っている。
第三者は勝負に口出し無用=口無しって事。

今ではぁ~指輪もぅ~♪