薬と言えば・・・ゲンノショウコ。

ゲンノショウコ、漢字はこう書く→【現の証拠】
「根苗ともに粉末にして一味用いて痢疾(りしつ)を療するに効あり、故にゲンノショウコと言う」by本草綱目啓蒙(1803年)。

異名も多い、医者殺し、玄草(げんそう)、蝋燭草、梅蔓、覿面草(テキメンソウ)、など。
多年草で薬草、茎・葉を乾燥して煎じる、効用は下痢、便秘、食あたり。
夏に五弁の小花をつける、夏の季語。
面白い事に、花の色の分布がアル。
東日本は白、西日本は紅紫色。

げんのしようこのおのれひそかな花と咲く/種田山頭火
【現の証拠】
傍題、忽草(タチマチグサ)、ねこあしぐさ、医者いらず、神輿草(ミコシグサ)、など。

婆が干すげんのしようこの花いとし/山口青邨
手にしたるげんのしようこを萎れしめ/加藤秋邨
因幡なるげんのしようこは花細し/篠原梵
女弟子我にありげんのしようこかな/森澄雄
論よりも現の証拠の効き目かな/小栗釣月

幻の理想の風景が、「陽だまり」だった。
「陽だまり」
松尾静子
包み紙のセロファンを父は折り始めた
折りたたまれ小さくなったセロファンが
父の手のひらに乗っていた
何故だか分かるか
日に翳かざしても何もみえない銀色のセロファン
私は空を見上げた
数字を口頭で並べ
次に来る数字は何か分かるか
中の妹が答えた
又次に違った数字を違った風に並べ
妹はすぐに答を出し
父の解説が始まった
さっぱり分からない私は
陽だまりの中ぽっかり取り残され
下の妹は
父のひざの中で眠ってしまった
光の中に時が緩やかに降り積もり
この詩は知らなかった。
なんとも懐かしく悲しく。
あ~、そうか、私の理想だったんだ、と、気がついた。
三姉妹が理想だった・・・実際は二姉妹。
三人の娘を抱きながら休日を過ごそうと一戸建てを手にした。
残念ながら、娘も家も手放したが・・・。
しかし、「陽だまり」は、過去ばかりではない。
みんな、今の、現代の、現実の、、「陽だまり」を追いかけているのではないか?
と、想い、自分を慰めた。
この詩の、美しい余韻はどうだっ。
主観も客観も超えて、第三者に身を任せている。
さえきサン、Special Thanks ♪
映画・『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』を観た・ネタバレなし。
不作続きの映画ライフ、久しぶりのオススメ映画です。
『T-34 レジェンド・オブ・ウォー』

ストーリーは単純明快。
第二次大戦のソ連軍とドイツ軍の戦車バトル。
超アナログの戦いを、CGで描くのだが最高に面白いのよネ。
まぁ、脚本が最高デスね、そのお陰でキャラも物凄く良く立っている。
物語の流れも良い、前半と後半が上手くマッチしているトコは重要ネ。
そしてやはりホンモノの戦車の弩迫力だわなぁ、やっぱ戦車、カッコイイわ。
着弾の音、その時の戦車の内部での共鳴音など、デティールがしっかりなのだよ。
だから臨場感も言うこと無し、まるで自分自身が戦車に搭乗して戦っているような錯覚さえ憶えるワケ。
マジ、わかっちゃいるけど、手に汗握る・・・。
あ、出来れば、後日譚があれば完璧だったか?
おっと、ココまでにしておきましょうかネ。
もちろん、奇麗なお姉さんも登場して・・・LOVEもあったりしてサ。
さて、ギターの練習スルかな(笑)。
ではでは。
いずれアヤメか杜若(かきつばた)・・・デス。
宵々の雨に音なし杜若/与謝蕪村
燕子花とも書く。

花菖蒲(はなしょうぶ)・アヤメ・一八(いちはつ・初)・そして杜若。
古より詠われてきた数あるアヤメ科の花。
その中で一番愛されたのは、杜若のようだ。
「から衣 きつつなれにし 妻しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ」by在原業平
【か】らごろも
【き】つつなれにし
【つ】ましあれば
【は】るばるきぬる
【た】びをしぞおもう
で、【か・き・つ・は(ば)・た】、と、ナルわけだ。
折り句ですね、
伊勢物語、東下りの段、ご参照下さいマセ。
杜若、青紫色の花のイメージが強い。
また、他のアヤメ科と違い、やや茎が短く花が葉に隠れるケースが多い様に思う。
古人や日本画家はその奥ゆかしさを愛した。
有名な、尾形光琳の「燕子花(かきつばた)図屏風」。

杜若、元々は染料にされており、「書付花」と言われ、転じて「かきつばた」との説がある。

天然の風吹きゐたりかきつばた/細見綾子
小数点以下省略のかきつばた/永末恵子
雨つぶの雲より落つる燕子花/飴山實
夕風をゆっくり歩くかきつばた/樫井賢一
かきつばた往きと帰りはちがふ貌/片山煕子
踏み込めぬ影の暗さや杜若/吉村玲子
杜若に雨のきてをり阿弥陀仏/谷村幸子
奥ゆきの妹恋しかり杜若/小栗釣月
