2020/08/31【俳句愛好会・幹】今月の句、落掌致しました。
連衆の皆さん、厳しい残暑に如何お過ごしですか?
吟行句会も諸事情で延期続き、誠に残念至極。
そんな時期ですから健康第一でありますネ。
さて、今月の俳句愛好会[幹]のテーマは、兼題なしの自由題のみでした。
投稿いただいた会員の皆さんには、添削&アドバイスを九月七日ごろまで送付します。
で、次回の兼題は、『稲妻/いなづま』です。
夏の季語、【雷】は、恐怖と共にある種の力強さや爽快感があります。
しかし、秋の季語の『稲妻』は、秋の気配に寄り添うモノです。
古より稲穂が実る時に多く発生するので、『稲妻』のお陰で稲が実ると考えられていました。
また、『稲妻』が多発する年は豊作との言い伝えもあります。
さらに、古書によると、稲妻とは、「光あって雷ならざるをいふ」とあります。
ならば、雨や音をあまり伴わぬ秋の雷の光を主眼とした、秋の季語と言うワケです。
また、「音も交えず、雨も降らさず、夜空を鋭く駆ける」と、角川歳時記にはあります。
夏の雷(神鳴)は音、秋の稲妻(稲光)は光、そのように考えましょう♪
傍題、稲光、稲の殿、稲の妻、稲の夫(つま)、いなたま、注意1<稲つるみ、稲つるび>、など。
『稲妻』の傍題はあまりパッとしませんよネ、ココはガツンと、『稲妻』で詠んでみましょう。
え、夏の雷も恐いけど、秋の、『稲妻』はもっと怖い???
では、秋の自由題へシフトして下さいマセ(笑)。
では、例句。
いなづまやどの傾城とかり枕/向井去来
稲妻の一瞬のキラメキの華やかな儚さと、傾城、いわゆる遊女を取り合わせた名句。
稲妻の儚さは、遊女の儚さでもある、そして作者も似たような境遇だったのだ。
稲妻が持つ本来の艶やかさにも呼応したのであろうとも思う、ゆえに、仮枕、仮の一夜なのだ。
長崎で詠まれたこの句は、有名な丸山料亭花月(元遊郭・引田屋)に、その句碑がある。
稲妻のゆたかなる夜も寝べきころ/中村汀女
肝っ玉母さんの句である、稲妻なんぞなんともないわい、である。
稲妻をゆたかなどと表現した句はこの句だけだろう。
どうしても稲妻の光や儚さ、怖さへゆくものだが、作者は違う。
早寝早起き良妻賢母?稲妻ごときにかまっていられん、早く寝よって感じでしょ(笑)。
稲妻や世をすねて住む竹の奥/永井荷風
荷風の『断腸亭日乗』には以下のようにアル。
庚申の年孟夏居を麻布に移す。ペンキ塗の二階家なり因(よ)って偏奇館と名づく~中略~崖に【竹林】あり雨は絃を撫するが如く風は渓流の響きをなす。
荷風は変人扱いをされておりそれが嫌で、ゆえに、「世をすねて住む竹の奥」であり、稲妻が世間と言う事になる。
我も昔の賢者の如く竹林に隠れて住み日々を送っているのだ!文句があるか!と言う、世間などなにするものぞの武骨な句なのであります。
稲妻や童のごとき母の貌(顔)/恩田秀子
母親の介護をしているのだろう。
稲妻に怯えた母の顔が子供のように見えた、というだけの句。
しかし、そこには、家族の絆やそれぞれの人生が一瞬の稲妻の閃光にて甦った。
親子、人生、深いものを感じる一句。
稲妻や将棋盤には桂馬飛ぶ/吉屋信子
夕涼みの将棋観戦か、どうやら一進一退の激戦のようである。
その時、空にはピカリと稲妻の一閃が走り、同時に盤上では音を鳴らして桂馬飛んだのだっ。
サスペンスドラマであればココで悲鳴が起きて殺人事件が・・・(笑)。
天も盤上も、事態は風雲急を告げ、ますます荒々しくなってゆくので目が離せないのだ。
他、秋の季語で自由題デス、締切は、九月三十日です。
≪注意1≫
<稲つるみ、稲つるび>~傍題の「稲つるみ」「稲つるび」の【つる】とは、交尾(つる)むの意味です。
昔の人々は、稲は稲妻(稲夫)と交尾することで稲が実ると信じていました。
稲妻の光は恐ろしくもあり、また、豊作の喜びの象徴でもありました。
八月が終る・・・八月尽。
伝説DEあろうが・・・猿酒・ましら酒。

呑んでみたい酒は数多あれど、やはりこの猿酒が筆頭ですわネ~。

猿が木の洞や岩のくぼみに蓄えた木の実や果物が自然に発酵して酒になった・・・。
と、まるで見てきた様なお話ですが、猿酒の伝説は江戸時代アタリが発祥らしいデスね~。
江戸期の文献、『本朝食鑑』によると、江戸後期には、健康のための果実酒作りが大ブームとなったとか。
果実酒の種類も多彩で、ぶどう酒、、桑酒、みかん酒、揚梅酒、龍眼酒、などなど、凄いデスね~、今とかわらん。
で、猿酒とは、酒造りに血眼になった庶民から、生まれた伝説なのではないでしょうか?
とは言え、猿酒が書かれている書物は多く存在しているんですね~、マジかっ。
「満月の秋の夜に猿が集まって猿酒で酒盛りをしている」
「味は渋みと甘味で仙薬のようだった」
「猿の甘酒とも言い、奥州南部にある」
「中州(福岡?)で黒い猿が酒を造る」
他、猿酒を見ると死んじゃうとか(笑)まぁ、とんでも話ですよね。
でも、面白いからイイじゃんって事です。

猿酒や炉灰に埋む壺の底/河東碧梧桐
猿酒や鬼の栖(す)むなる大江山/青木月斗
猿酒は夜毎の月に澄みぬらん/佐藤紅緑
猿酒に酔ひては雨の飛騨泊/羽田岳水
猿酒を酒呑童子と酌み交わす/小栗釣月

残暑見舞いをイッキに書いたZOooooo。
我が家に無いもの(笑)。。
TV、ラジオ、車・・・。
そして、【プリンター】(笑)。
ずいぶん前に壊れてから、購入していない。
不便は不便だが慣れればどうと言う事は無い・・・
ただし、年賀状(寒中見舞い)、暑中見舞い(残暑見舞い)の時期を除けばでアル(笑)。
住所をサ、手書きしてる人っているかしらネ~、今時、かははは(笑)。
書くと言う行為は、体力と気力をガッツリ使うのでありますぅぅぅぅぅ。
はぁぁぁ疲れた。
ギター弾く気力も無いわ。
昼寝しよう。
でも、手書きだとネ、フワッって、相手の顔が浮かぶのよネ。
それはヨイですわぁぁぁぁぁ。
あ、絵葉書はコレね、涼しげな幻想的な月の絵デス。
少しでも、涼を感じてもらえたらなぁ~♪

処暑過ぎしこころに残暑見舞ひけり/吉田島江
春迎ふ国の友から残暑見舞/赤座典子
よもすがら残暑見舞いの遅延癖/小栗釣月