今夜は・・・天の川(河)。
星や月は秋の季語、また、それに関わるものもホボホボ秋の季語であります。
荒海や佐渡によこたふ天河(天の川)/松尾芭蕉

芭蕉の奥の細道での最高傑作デスね。
越後の出雲崎から佐渡を見た・・・らしいけど、雨だったりして、ごにょごにょ(笑)。
この句のお陰で、天の川の句を詠む事はなかなか難しいワケで・・・(笑)。
ま、日本海ラインから、芭蕉は常に海と佐渡を意識していたのでしょうネ。
コノ時期の越後の海は荒れないとか、実は曇りで星が見えなかったのではとか、そんな事はまったく問題ではナイのだ。
流刑地であった佐渡の海を荒らしたのは、芭蕉の心の叫びだ、無念の政治犯達の叫びなのだ、その悔しさ、悲しさを天の川に投影させたのだ。
名句であります。
さて、星も月も秋が最も美しいとしたのは古人である、その心は日本人として守りたいもの。
天の川離島に向かう舟の波/小栗釣月
越後路の大愚の里や天の川/小栗釣月

うつくしや障子の穴の天の川/小林一茶
別るるや夢一筋の天の川/夏目漱石
山寺や畳の上の天の川 /松瀬青々
うすうすとしかもさだかに天の川/清崎敏郎
天の川ひとは小さな息をして/城倉吉野
天の川の水をくみきて茶の湯かな/有吉佐和子
万の句に一句を投ず天の川/渕上千津
古の文の幽(かそけ)し天の川/小栗釣月
