今宵、月齢15.0の完璧満月。

月は秋の季語です。

そして一番大切なのが、【中秋の名月】。
月の満ち欠けによって暦を作っていた太陰暦(旧暦)では、七、八、九月を秋としていました。
で、ご存じとは思いますが、その秋の真ん中の、旧暦の八月十五日を中秋と言うワケですネ。
ちなみに、今年の【中秋の名月】は、『十月一日』です、お忘れなきように・・・。
でで、今宵は、真ん丸のお月さまです。
ででで、九月の満月は「ハーベストムーン」(収穫月)とも呼ばれております。
こちらは天気が良いので最高のお月見でございますぅぅぅぅぅぅぅ。

一家に遊女もねたり萩と月/松尾芭蕉
玉霰夜鷹は月に帰るめり/小林一茶
ぬす人に取りのこされし窓の月/沙門良寛
月に行く漱石妻を忘れたり/夏目漱石
ふる里は波に打たるゝ月夜かな/吉田一穂
さすらひて見知らぬ月はなかりけり/高屋窓秋
月触るる一瞬鶴となる楽器/石母田星人
洋上に月あり何の仕掛けもなく/三好潤子
月の宿古きレコードのララバイ/小栗釣月

あ~、最高じゃぁぁぁぁぁぁぁ♪
新涼Ⅱ。
9月2日~七十二候・その42[禾乃登/こくものすなわちみのる]
昭和三十年の作品。
戦後の豊饒と平和、そして餓死した戦中の人々を想い涙したのだろう。
稲が実ると言う事は、平和であると言う事なのだ。
昨日こそ早苗とりしかいつの間に稲葉そよぎて秋風の吹く/詠み人知らず
一郷の重くなるほど稲穂垂れ/水谷靖

二十四節気の処暑の末候、禾乃登。
稲が実り、穂を垂らす頃、実りの秋の到来です。
古の人々は、穀物豊穣の時期を一番の幸せに感じていたのではないでしょうか?
[禾]は、稲が穂を垂れている様子の象形文字。
[登]は、実る、成長・成熟の意味もあります。

一里行けば一里吹くなり稲の風/夏目漱石
わがこころ稲の穂波にただよへり/山口青邨
稲稔りゆつくり曇る山の国/廣瀬直人
陸稲(おかぼ)消え六〇万市さがみはら/小川水草
神々のむつかしき名や稲穂垂る./土橋柚花
風の無き朝は稲穂の香に咽せる/小栗釣月

ちなみに、神道での食事の作法は、合掌はせず、一拝一拍手。
そして、「いただきます」の前に、歌を捧げます。
「たなつもの百(もも)の木草も天照す日の大神のめぐみえてこそ」
さらに、「ごちそうさま」の前にも、歌を捧げます。
「朝よひに物食ふごとに豊受の神のめぐみを思へ世の人」
ご存知かと思いますが、天照す日の大神=太陽を司る神道の絶対的な女神、皇祖神、天照大神であり、豊受の神=豊受大神は、伊勢神宮の「外宮」に祀られている五穀をつかさどる女神で、天照大神の食事のお世話もしています。
あ~、天皇陛下を頂く、水と稲穂の国、神国日本、素晴らしいデス。
平和なり稲穂がそよぐ神の國/小栗釣月