早く新酒が呑みたい。

新酒の名「銀河鉄道」届けらる/小澤克己

新酒イイよね~。
生きてあることのうれしき新酒哉/吉井勇

私の地元には、酒蔵が二つもアルんですヨ~、ありがたやぁ~。
みんな新酒を楽しみにしています、まずは、ひやおろしデスかね~。


酒蔵や大きな酒屋の軒先に、古より新酒ができた合図として杉玉(酒林)が吊るされルンです。
青々とした杉玉は爽やかで、嬉しいお知らせの風習ですネ~、私の町でも続いています。

昔は、新米が穫れるとすぐに造ったので、「新酒」は、秋の季語となっていますが、現在は寒造が主流となっていますネ。
新酒、他に、「新走(あらばしり)」とも呼ばれています、それは、またネ。

新酒汲むわれの身ぬちに澱すこし/藤村真理
口中の闇に新酒の雫かな/延広禎一
新酒酌みおのづと昭和語り出す/泉田秋硯
亡き友の数の土器(かわらけ)新酒酌む/小栗釣月


旧暦九月九日・【重陽/ちょうよう】。
菊の酒無口な肝臓話し出す/森景ともね
本日、九月九日は、五節句のひとつ「重陽の節句」です、重九(しょうく)とも言います。

ちなみに、五節句とは?
人日(じんじつ)(正月7日・七草の節句)
上巳(じょうし)(3月3日・桃の節句・雛祭)
端午(たんご)(5月5日・菖蒲・端午の節句・こどもの日)
七夕(しちせき)(7月7日・笹・七夕祭)
重陽(ちょうよう)(9月9日・菊の節句)。
現在、五節句は、一般的に西暦で行われていますが、元々は、中国の風習で、旧暦の宮中行事でありました。
菊を用いて不老長寿を願うことから別名「菊の節句」とも・・・。
五節句の中では、あまり知られていない?節句ですが、本来は、節句を締めくくる行事として、太古は最も盛んに催されました。
特に江戸時代には宮中から離れ庶民に浸透して盛大だったと言います。
まぁ、大っぴらに花見同様、健康的に?お酒を飲める日だったわけです。
当時は、庶民の間で「お九日(くんち)」と呼ばれて親しまれました。
有名な「長崎くんち」「唐津くんち」はその名残で、今も、新暦の10月に開催されています。
江戸時代から重陽の節句に栗ごはんを食べる習慣があり、「栗の節句」とも呼ばれています。

「おくんちに茄子を食べると中風にならない」と言われています。
また、秋の雛祭り「秋の雛」と言う地方もアリ、春に飾った雛人形をもう一度飾るという風習もあります。
他、菊湯、菊枕、菊合わせ(菊のコンクール)など。
で、秋の季語【重陽】、傍題、菊の酒・菊の日。

重陽の力士に挑む園児たち/中御門あや
重陽や海に張りだす能舞台/山口マサエ
重陽の宴なごやかに師の笑顔/米須あや子
とことわの炎たちたる菊の酒/天野きく江
下戸とても押し戴きて菊の酒/西千代恵
皇統は国体である菊の酒/小栗釣月
