9/14・本日、コスモスの日。
秋の七草・その二、尾花(おばな)。
既になき色を秋ふる尾花かな/松岡青蘿

薄(すすき・芒)の花穂(かすい)の事を、「尾花」と言います。
陽と月の眩しく燃ゆる尾花原/小栗釣月

当然、秋の季語、尾花.。
この秋を代表する季語は傍題も多く、花薄、穂薄、薄の穂、初尾花,村尾花、尾花が袖、尾花の波などなど。
薄(すすき・芒)と言う季語が葉、茎、花の全体を表していますが、「尾花」は 薄の花穂、いわゆる穂だけに限定する季語であります。

霧雨は尾花がものよ朝ぼらけ/宝井其角
武蔵野や鑓持(やりもち)もどく初尾花/池西言水
おもかげの尾花は白し翁塚/浪化上人
あはれみる野田は卒都婆(そとば)のむら尾花/立花牧童
とんぼうをとまりつかせぬ尾花かな/杉山杉風
花すすきひと夜はなびけ武蔵坊/与謝蕪村
血の如き夕日飲み込む尾花波/小栗釣月

秋の空ほのかに燒くる黄昏に穗芒白し闇くしなれども/長塚節

秋の七草・その三、桔梗(ききょう)は、明日(十五日)です。