9月18日~七十二候・その45[玄鳥去/つばめさる]
ある晴れた日につばくらめかへりけり/安住敦

二十四節気の白露・末候、玄鳥去。
春に日本にやってきた燕が、子供を産んで育て、一緒に南へと帰っていく頃・・・。
ただ日本で生まれた燕は、帰るのではなくて、古い季語の燕去る、が、正しいのだろうなぁ、と。

落日のなかを燕の帰るかな/与謝蕪村
ある朝の帰燕高きを淋しめり/鈴木真砂女
ゆく雲にしばらくひそむ帰燕かな/飯田蛇笏
ものを買うのぞみあまたに帰燕の日/飴山實
中天に帰燕大浪くつがへるさま/山口青邨
蒼天の黒き一穴燕去る/小栗釣月

昔は、燕が常世国(とこよのくに・天上界の理想郷)から来るのだと信じられていました。
ゆえに、燕が巣を作るのは、吉兆ゆえであり、商家は商売繁盛となると大喜びしたんですネ。
また、燕の巣が落ちると火事になる、など、たくさんの言伝えが残っております。
皆さんの地域ではどんなお話が伝えられていますか?
秋の七草・その七「萩」。

これからの萩のこぼれを見届けむ/坂本敏子

萩については語ることあまりに多し、詳細はこちらをクリック→「十月の句会の兼題、【萩】について。2019年」
萩には女性のイメージが重なる、芭蕉の一句のセイでしょうかネ。
一家に遊女もねたり萩と月/松尾芭蕉

暁烏萩を手折れと鳴きはじむ/小栗釣月

萩ひと夜乱れしあとと知られけり/小倉涌史
萩のほかの六草の名の重たけれ/加藤鎮司
地図に見る明日行くところ萩の卍(寺)/池田澄子
萩叢(はぎむら)を括れば四方(よも)の風の歌/小栗釣月

萩咲て家賃五円の家に住む/正岡子規
萩の野は集つてゆき山となる/藤後左右
うち泣かむ萩ひとむらの雨後の景/亀丸公俊
初七日の友の裏戸の萩に泣く/小栗釣月

萩と城下町は仲良し。
我が城下もこれからです。