今日は良い天気だった、鰯雲。
穭田(ひつじだ)。
穭田がときをり雀弾き出す/丁野弘
稲刈りの後の切り株からまた再び萌え出た細い茎が【ひつじ】です。

その【ひつじ】が生えた田のことをひつじ田と言います。
× 羊田
○ 穭田または稲孫田
一般にはひらがなで表現することが多いです。

穭田は、単体でも季語なのですが、他の季語との取り合わせも多いです。
この時期の青葉の代表は、この穭田と松でしょう。
紅葉の中で揺れている青葉はやや寂しい眺めです。
そして、最期に松の青さだけが残り、やがて穭田は枯れ果てます。
高速道路から見る田園風景は三色のマスです。
青い、ひつじ田。
刈り取られた、黄土色。
そして、まだ稲がアル黄金色。

穭田にからす不穏な群れをなす/久津見風牛
穭田や白紙に戻す農ごころ/鈴鹿仁
穭田の青さは水の近江かな/宮内とし子
穭田や獅子担ぎくる若頭/朝妻力
穭田の色を力として歩く/田村園子
穭田の野鼠(やそ)の気配に猫集ふ/小栗釣月
