秋の桜は、コスモス(秋桜)だけじゃありません。
だって、外来種なんですものぅぅぅぅぅぅ。
で、やはり、秋の桜と言えば・・・十月桜でしょ?
江戸時代から記録が残るこの十月桜は、なんと春と秋に咲くんですヨ。
一説では、桜は昔、春と秋に咲くのが普通だったらしいのですヨ。
裏付ける話があります。
秋咲きの代表的な桜がネパールの「ヒマラヤザクラ」と言う種なんです。
この桜と、日本の秋咲きの桜には、たくさんの共通点があり、遺伝的にもかなり近い種と言うことで、もしかすると、日本の桜のルーツの一つなのではないのかとも言われております。
ちなみに季節はずれに咲く花は、返花(帰花)と言って冬の季語になります。
小春日和に返花を見つけると、とても嬉しく・・・でも、悲しくなります。
では、秋の季語、十月桜にて・・・。

十月桜奥歯の痛むごとくかな/神蔵器
いのち透く水音十月ざくらかな/北川孝子
十月桜ひそかに咲きて人とどむ/阿部ひろし
昼月の透けて十月ざくらかな/伊東恵美子
絹雨に十月桜なほ透けて/甲州千草
風に彩(いろ)放つ十月桜かな/小栗釣月

秋の季語、色なき風にも、彩りを与えてくれるのが、十月桜です。
今年も南天の赤が奇麗だ。
今夜・2020/10/29・『後の月』・十三夜(旧暦九月十三日)
十五夜だけが月見ではありません。
十五夜の後に巡ってくる十三夜・・・、今夜、旧暦の九月十三日は、『後の月』デス。

『十三夜』についてはココが詳しいデス!クリック→【十三夜について】
秋の季語である一番美しい月の見納めかな?
ま、風雅の道もイベントが多くアレコレ大変でありますぞよ(笑)。
名月(十五夜)も後の月(十三夜)も旧暦ですから、毎年変わるので困っています・・・忘れちゃう。
俳句、の世界では、中秋の名月の後なので.『後の月/のちのつき』とします。
他にも、「後の名月」・「名残の月」・「月の名残」・「二夜の月」・「後の今宵」・「女名月」
また、十三夜のお供え物から、「栗名月」・「豆名月」などとして季語に用います。

『後の月』のお供えはこんな感じかな?

古来、月見と言えば、十五夜(旧暦八月十五日)と十三夜(旧暦九月十三日)がセットでした。
必ず、二回!月見をするのが常識だったのです。
十五夜だけでは、「片月見」といって縁起が悪い?と嫌われていました。
水涸れて池のひづみや後の月/与謝蕪村
仲秋の韻を畳むや後の月/正岡子規
後の月人待顔をてらしけり/尾崎紅葉
松島の後の月見てはや別れ/野見山朱鳥
「電話する」嘘ばっかりの後の月/わたなべじゅんこ
杯に浮かべて呷る後の月/小栗釣月
田の空に舞ふもの絶えて十三夜/関根初男
山のもの厨にとどく十三夜/宮原利代
十三夜会へそで会へぬ人を待つ/松沢久子
能面の影のおとがひ十三夜/関根洋子
十三夜映るべき盃伏せておく/中原道夫
十三夜今日は帰らぬつもりです/小栗釣月
さらに、十夜もあるんです、十夜とは、東日本を中心に行われている、旧暦10月10日に行われる収穫祭ですネ。
でで、今夜は、曇りかぁ~、残念、無念。
※十五夜は中国から伝わったものですが、十三夜は日本固有の風習で、秋の収穫祭の一つではないかと考えられています。
※延喜19年(919年)に、宇多法皇によって9月13日にも観月の宴が行なわれ、これが日本独自の十三夜の月見のはじまりとされています。