11月07日~七十二候・その55[山茶始開/つばきはじめてひらく]
山茶花や濯ぎ干すもの白ばかり/恩田甲

古来、ツバキとサザンカは混同されていました。
中国では、「山茶」は椿、「茶梅」が山茶花、ね、間違いそうデス。
読みは「つばき」ですが、山茶花(さざんか)が咲き始める頃の意味でヨイです。

二十四節気の立冬・初候、山茶始開。

山茶花に雀顔出す佳き日和/渡辺信也
山茶花や寺に風神雷神図/島玲子
山茶花の物干す間にも散つてをり/隈部郁子
純白の山茶花何も寄せつけず/犬塚芳子
散るためか白山茶花の七重八重/大坪景章
笑ひすぎたり山茶花のこぼるるよ/丸山照子
山茶花は野良猫の背が好きで散る/小栗釣月

え?椿と山茶花の違いがワカラナイ?
う~ん、それは困りましたね(笑)。
実は私も俳句をやり始めるまでは気がつきませんでしたヨ。
では、機会があればご説明致しましょうネ。
本日・2020/11/07・【立冬/りっとう】

二十四節気・その19・立冬。
「冬の気立ち初めていよいよ冷ゆれば也」

暦の上では、冬をむかえました・・・本日から、季語は、【冬】です。
冬の語源は諸説ありますが、年が暮れていく、経過するので「経(ふ)ゆ」。
最有力なのが、寒くなり、冷える、「冷ゆ」から変化したのだと言うのDEありますが、さて?
で、冬、はじまりがアレコレなのでヤヤこしい。
二十四節気では、本日、「立冬」から、天文学的には「冬至」から、旧暦では十月の上旬から、現在は十二月ごろから?
でで、私的には、今日から、冬デスッ。
雪国では冬の準備をはじめます、落葉、木枯、初霜、初雪、冬が来ます。
木枯し一号は十一月四日(関東)でしたネ。

では、『立冬』

立冬の月皎々と朴の槍/富安風生
立冬の寒山拾得まつくろけ/中原道夫
立冬の襖の竜の墨雫/浜口高子
立冬の手先に溜る静電気/北圃愛子
立冬や息かけて拭くガレの壺/鷹崎由未子
立冬や赤いヤカンのお出ましだ/小栗釣月

これからますます寒くなりますね。
皆々様、ご自愛くださいマセ。
*寒山拾得(かんざんじっとく)・森鴎外著。
国清寺・拾得・普賢菩薩、石窟寒巌・寒山・文殊菩薩。
他、井伏鱒二の著もあり、詳細はググッて下さい。

歳時記は、冬季に持ち替えましょうネ。