昨日、二月三日は寒明け。
2021/02/04・春一番。
関東では、春一番が吹きましたよ~。
観測史上(1951年以降)、最も早い春一番だそうです。
あっさりとふられ上手の春一番/小栗釣月
「春一番」とは、春に最初に吹く強い南風の事です。
で、実は以下の通り期間限定だから、春一番が吹かない年もあるわけネ。
気象庁の、関東地方での「春一番」の条件。
その一、立春から春分までの期間のみ。
その二、日本海に低気圧がある。
その三、強い南寄りの風が吹き気温が上がる。
*東京で8m/s以上の風で前日より気温が高い事。

あ、これは、春一番ではありませんでした、失礼。

春一番来し顔なればまとまらず/伊藤白潮
春一番ハブラシの音弾んでる/川副民子
春一番のぼった坂を駆けくだる/わたなべじゅんこ
春一番遠出かなはぬ身に吹けり/沢聰
春一番4の字固めのフラミンゴ/岡清秀
春一番畝の崩れし葱畑/皆川盤水
春一番一枚越しの高鼾/小栗釣月

春の歳時記。
旧暦二月四日・本日・【大石忌/おおいしき】
京都祇園においては三月二十日。
赤穂義士、大石内蔵助良雄/おおいしくらのすけよしたか、の忌日デス。

万治2年(1659年)~元禄16年2月4日(1703年)
ご存じ忠臣蔵。
赤穂浅野家筆頭家老。
この日、大石をはじめとする義士すべてが切腹しました。
ゆえに、赤穂義士は、伝説の中で永遠に生きる存在となったわけです。
【大石忌】
叔父の僧姪の舞妓や大石忌/松本たかし
酔ひざめの頬杖はづれ大石忌/鷹羽狩行
大石忌梅一輪の桂籠,/須賀遊子
大石忌祗園の宵の春浅き/多田莎平
風呂敷にふるさとの酒大石忌/中田尚子
刀匠の銘打つ鏨(たがね)大石忌/鈴木わかば
大石忌心残りはお軽かな/小栗釣月
赤穂義士の中には俳人が多くいました。
特に大高源吾は高名で、俳号を「子葉」(しよう)と言い、句集(ふたつの竹)も発行しています。
他、小野寺十内は俳号を「里龍」、
茅野和助は「禿峰」、
神崎与五郎は「竹平」、
寺坂吉右衛門は「万水」、
冨森助右衛門は「春帆」、
間重次郎は「如柳」、
原惣右衛門は「来水」、
吉田忠左衛門は「白砂」デス。
【初鰹江戸の芥子(かいし)は四季の汗】と言う、
大高源吾「子葉」の句がありますが・・・・。
子葉は宝井其角と句会での交流もあり、親しかったようです。
で、忠臣蔵の名場面!
大高源吾と室井其角「両国橋の別れ」となるワケであります。

詳細はこちら→【十二月十三日・本日・『正月事始め』】
其角の句に、【うぐひすに此(この)芥子酢はなみだ哉】とありますが、
子葉の切腹を悲しみ【芥子】にかけて「子葉」の為に詠んだ句だと言われています。
子葉を偲び「子葉忌」を季語として俳句を詠む方も多いです。
大高源吾「子葉」の辞世の句。
【梅てのむ茶屋も有へし死出の山】
大石内蔵助の辞世の歌。
【あら楽し 思ひは晴るる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし】
もう一つ残っているようで、こちらの歌が本当っぽい。
『極楽の 道はひとすぢ 君ともに 阿弥陀をそへて 四十八人』