牡丹雪。

空で少し融け、結晶が重なり大きくなって落ちて来た雪。
その様子が花弁の大きな牡丹に似ていることから、「牡丹雪」と・・・。
美しい季語であります。
しのび逢ふ肩に重たき牡丹雪/小栗釣月

牡丹雪は春の季語です。

牡丹雪その夜の妻のにほふかな/石田波郷
死ぬ人の歩いて行くや牡丹雪/藤田湘子
牡丹雪おのが生みたる風に乗り/岡本眸
書庫までのわが足あとや牡丹雪/山口青邨
スペインで暮らす哀しみ牡丹雪/小西昭夫
階段の螺旋の中を牡丹雪/齋藤朝比古
眼の高さ以下はゆつくり牡丹雪/鷹羽狩行
牡丹雪重なりおうてなお寂し/小栗釣月

寂しいと言ふ歌人いて牡丹雪/小栗釣月
*ラジオであまりにも穂村弘氏が寂しいを連発するので(笑)*
2/9・本日・漫画の日&手塚治虫の命日。
2/9・本日・『ふく(河豚)の日』。
*昔は河豚を食べるのも命懸けでございました。
虎河豚の毒の貫禄糶(せ)られけり/富永壽一
*「糶(せ)られ」は「競られ」と同義で、市場でセリの事。
「ふ(2)く(9)」の語呂合せですね。
下関ふく連盟が1981(昭和56)年に制定致しました。

下関では、河豚は「ふく」と発音し、
「福」と同音であることから縁起の良い魚とされています。

あ~、河豚、旨いよネ~、喰いてぇ~ッス。

鰭酒も良いなぁ~。

当然、河豚は、冬の季語でありますが、春でも旨いデス。
河豚宿は此許(これ)よ此許よと灯りをり/阿波野青畝
河豚刺の呉須(ごす)透く色をいただきし/中島真沙
死神を横目で河豚をたべにけり/保坂加津夫
河豚汁や熟年二人酔ひはじむ/大川泉舟
虎河豚の眼の中の潮かな/井上都志子
河豚鍋や愛憎の憎煮えたぎり/西東三鬼
河豚刺身何しんみりとさすものぞ/中村汀女
河豚鰭に酔うて候友遠し/小栗釣月
