芽柳や傘さし上げてすれ違ふ/満田春日

古人もその美しさを愛でた、春の植物の芽の中でも「柳は緑、花は紅」と言われ、芽の筆頭。
うちのぼる佐保の川原の青柳は今は春へとなりにけるかも/大伴坂上郎女

「柳の芽」は春の季語であり、『柳』も春の季語、特別なのであります。
柳芽や河原に一人待ちぼうけ/小栗釣月

色はまだ水に届かず柳の芽/山田弘子
まぶしさは水より風に柳の芽/若山千恵子
塗り終へし舟が客待つ柳の芽/天野英子
芽柳や声やはらかく遊びをり/遠藤千鶴羽
東京の石神井(しゃくじい)恋し柳の芽/清水淑子
足元に猫摺り寄りて柳の芽/小栗釣月

この春は柳の芽にぞ玉は貫ぬく咲き散る花の行くへ知らねば/源氏物語