芽シリーズ3・山椒(さんしょう)の芽。

芽山椒(めさんしょう)としても詠む。
父在らば山椒の芽の摘みし頃/新関澄子
え?山椒を知らない?
鰻の蒲焼にかけるヤツ・・・私はかけないけど・・・。


でも、それは実ね。
和食では山椒の若芽を【木の芽】と言って春の時期に多用します。
あの独特の芳香は、春の薬味として右に出るモノは無いでしょう。
筍料理や味噌の田楽やお吸い物、などなど、とにかく頻繁に登場する。
そして、あの葉の形と鮮明な緑色は引き立て役ではなく主役級であります。



芽山椒青年を摘む匂いして/星野明世
芽山椒母の得意な味噌和えに/橘高絹子
芽山椒ふはり包まれ届きけり/西畑敦子
芽山椒を含み海馬の育ちたる/新江たか
山椒の芽の吹きだして旅心/鎌倉喜久恵
山椒の芽は山姥の恋心/高橋将夫
主役喰う脇役なりし芽山椒/小栗釣月

春は佐保姫様じゃぁぁぁぁぁ。

佐保姫様は、春をつかさどる神であります。
春の山野を造化する萌えの女神、最強の女神でありましょう。
言い伝えによりますと、白く柔らかな春霞の衣をまとう若々しい別嬪さんだとか、是非、お逢いしたい(笑)。
奈良の都の東方の佐保山を神格化したとも、東の方角は風水では春にあたるからとも。
秋の季語、竜田姫(たつたひめ)と対をなしまするぅぅぅぅぅ。

佐保姫は貝殻製のお喋り器/星野石雀
佐保姫と流れ橋など渡りける/小林玲子
佐保姫の乗る雲ならむやはやはと /林翔
佐保姫の声は鈴振るごとくかな/岡崎桂子
佐保姫の北国に着く便りかな/森山のりこ
佐保姫からピンク封筒に十七枚/丸山佳子
佐保姫の袖のひと振り貝匂ふ/山崎靖子
佐保姫と内緒話の八咫烏/小栗釣月

3月4日は【三線/さんしん】と『ミシン』の日♪

いわゆる、語呂合わせ・・・さん (3) しん (4)
ちと、苦しいが・・。

中国の弦楽器である三弦(サンシェン)がその起源との説あり・・・。
初めて音色を聴いたのは、
『男はつらいよ 寅次郎ハイビスカスの花』ですね。


ミシンと言えば、母親を想い出す。
昔のミシンは足踏式でカタカタと音がした。
小学校の時に帰宅すると、母の声よりも先にミシンの音がした。

現在、足踏式ミシンはインテリアオブジェとして人気らしい。
他、一部からは、足踏みミシンの方が低速でもパワーもあると使っている人もアルとか。

まなうらにミシン踏む母針納め/高澤良一
ミシン踏む音に顫(ふる・震)へて桜草/西村和子
雨蛙よくなく我もミシン踏む/上田芳子
ミシン踏みまた爽やかにミシン踏む/渋沢秀雄
ミシン踏む母振りむけば春夕焼/小栗釣月
