卒業子(そつぎょうし)。
三月二日のお気に入りのBlogの話題は卒業式だった。
我が母校もその日が卒業式でありました・・・。

チャイナコロナ(武漢肺炎)禍においての卒業式は華やかさに欠ける。
在校生の出席など当然なく、来賓も保護者も参加しないケースが多かったようだ。
父兄の要望で卒業式をリモートで生配信した学校もあったらしいが・・・。
しかし、折角の門出をなどと思うのは年寄りで、当の本人たちはそんな意識はない。
ま、そこが救いでもある、卒業子たちには青空へ胸を張って歩いて行ってほしい。

俳句では卒業生よりは卒業子を多く使う、五音でもあり収まりもヨイ。

なんとよく泣くよ今年の卒業子/森田峠
裏門を出て目礼の卒業子/及川永心
卒業子きらりと鳴らす銀食器/金子孝子
金色のフルート抱きて卒業子/西郷利子
波音を聞きに来てゐる卒業子/山田弘子
教室にかすかな浮力卒業子/浜田はるみ
金釦二つ盗らるる卒業子/小栗釣月

そう言えば保健室の憧れのK先生(養護教諭)から卒業の時にペンダント貰ったっけなぁ。
秋山とは一勝一敗だったな、あはははは。
3月5日~七十二候・その7[ 蟄虫啓戸/すごもりむしとをひらく]

東山はればれとあり地虫出づ/日野草城
二十四節気の啓蟄・初候、蟄虫啓戸。
冬眠をしていた虫たちが地表に現れること。
戸(穴)を啓(ひら)いて出てくる・・・・・。
この虫は、昆虫だけではなく、蛇や蛙なども指します。

で、季語は、『地虫出づ』or『地虫穴を出る』
里山も無くなりつつアル現在、この季語の風景をいつまで見られるだろうか?
昔の人々は、雷の音に虫たちが驚いて地中から外へ飛び出して来ると思っていたようDEあります。
ゆえに、この時期の雷を、『虫出雷/むしだしかみなり』と呼んだり致します。
こつぽり[注1]の高さや地虫出でにけり/波多野爽波
地虫出て犬の鼻息受けにけり/古谷彰宏
出し穴を離れずにゐる地虫かな/粟津松彩子
蒲団叩く音を二階に地虫出づ/平本くらら
地虫出づ兵馬俑を引き連れて/望月暢孝
地虫出てはや猫どもに飾らるる/小栗釣月

注1「こっぽり」
京言葉。
裏を大きくくりぬいてある、主に、少女用の下駄で、七五三などの祝い事の盛装に用いる。
また、近年は、祇園の舞妓の装いに多くみられる。
京言葉ながらルーツは関東、吉原遊郭の遊女の下駄として、底をくりぬいて軽くして用いたのが、「こっぽり」の最初らしい。
別名、ぽっくりorこっぽり下駄・・・歩く時の音に由来する。
祇園で蕩尽した爽波の想い出なのであろうか?
2021/03/05・本日【啓蟄/けいちつ】

「陽気地中に動き、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也」
啓蟄の蚯蚓の紅のすきとほる/ 山口青邨
冬籠りをしていた虫たちが地表に這い出る頃。
啓(けい)は「ひらく」、蟄(ちつ)は「土中で冬ごもりしている虫」の意味。
実際、虫たちが目覚めるのは、平均気温が10℃ぐらいにならないと、駄目なようです。
トコロDE漢字の「虫」とは毒蛇の蝮を表した象形文字なのですヨ、昔々は、爬虫類も両生類も虫と呼んでいたんですWA。
あの名作漫画、『蟲師』の蟲と言う漢字が本来の昆虫を表す漢字であり、「虫」と区別していたのですが略字として現在は虫を使うようになったらしいです。
さぁぁぁぁぁて、どんどん気候が春らしくなって行きます、嬉しいなぁ~。
で、『啓蟄』

うごめけるかや啓蟄の土のいろ/岡星明
啓蟄にすこし先立つ旅の虫/亀丸公俊
啓蟄やしかと乾きし洗ひ物/三代川次郎
啓蟄の大地に杭を打つ響き/中村七三郎
啓蟄や娘を箱に入れ直し/飯島士朗
啓蟄の影の転がる昼下がり/小栗釣月

影が出来ると言う事は陽が差しているんです。
ずっと曇天が続き影さえも出来ない・・・雪国は影さえも嬉しいのであります。