3月10日~七十二候・その8[ 桃始笑/ももはじめてさく]
【花は咲く】を弾く。
主催者に言いましたよ。
『この歌、けっこう面倒ですよ、練習なしで大丈夫ですか?』
ってサ、イイんだって、心配だなぁ~、マジ。
はい、【花は咲く】。
言わずと知れた、東日本大震災プロジェクトのテーマソング、であります。
被災した某曰く、最初はこの歌が嫌いだったって、なんかきれいごと?他人事のような歌詞だから?だそうです。
が、しかし、今は、東日本大震災を忘れないためにドンドン歌ってほ欲しいと思っているとの事、複雑だよね。
で、【花は咲く】の作曲者は、宮城県仙台市出身の天才作曲家、菅野よう子女史であります。

東日本大震災の翌日にいち早く、自ら作曲した応援ソング「きみでいて ぶじでいて」を、YouTubeにアップしました。
私はこの曲に感動して震えたんです、素晴らしい曲です。
「きみでいて ぶじでいて」・作詞は、一倉宏氏・・・是非、捜して聴いて欲しい。
2011年に地元で開催された、義援金募集の復興ボランティアイベントで、私はこの歌を歌った・・・歌いながら泣けて来たヨ。
でで、その菅野よう子女史が、震災の翌年に、【花は咲く】を作曲した。
NHKは嫌いだが、良いものは良い、名曲だ、良くぞあの歌詞に、このメロディをつけた。

「花は咲く」作詞は、岩井俊二氏。
花は 花は 花は咲く いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く わたしは何を残しただろ
花は 花は 花は咲く いつか生まれる君に
花は 花は 花は咲く いつか恋する君のために
さて、菅野よう子女史、1000本以上制作した「CMソングの女王」&「アニソン主題歌の女王」でもある。
アニソンで有名なのは、この二曲、『カウボーイビバップ』&『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX』かなぁ。
編曲もメッチャ手がけていて、紅の豚(1992年) - 時には昔の話を&人狼 JIN-ROH&コードギアス/亡国のアキトなど多数。
実写映画では、下妻物語&ハチミツとクローバー&海街diaryなどなど。
菅野よう子女史曰く、【花は咲く】は、
「100年経って、なんのために、あるいはどんなきっかけで出来た曲か忘れられて、詠み人知らずで残る曲になるといいなあと願っています」
なるほど、貴女は古の歌人のようでありますなぁ~。
*【花は咲く】の作詞・作曲家への印税は、全額がNHK厚生文化事業団を通じて、被災地の自治体に義援金として寄付されます。
あした、東日本大震災は十年を・・・。
3/10・本日・『みすゞ忌』。
みすゞの忌すずめの交尾目のあたり/白井健介
みすゞ忌の観音様は悲しそう/小栗釣月
金子みすゞを有名にしたのが以下のCMの詩。
【こだまでしょうか】
「遊ぼう」っていうと、「遊ぼう」っていう。
「馬鹿」っていうと、「馬鹿」っていう。
「もう遊ばない」っていうと、「もう遊ばない」っていう。
そして、あとでさみしくなって、 「ごめんね」っていうと、「ごめんね」っていう。
こだまでしょうか、いいえ、誰でも。
今日、3月10日は詩人、金子みすゞの忌日デス。

1903年(明治36年)4月11日~1930年(昭和5年)3月10日
26歳で死去するまでに約五百編もの詩を創作した。
西條八十、曰く、「金子みすゞは、若き童謡詩人の中の巨星である」
みすゞの夫は、みすゞの両親が経営する本屋の店員だった、婿の様なかたちだったか?
しかし、あまりにもろくでなしだった。
女性問題を起こし、自暴自棄となり、放蕩を繰り返し、みすゞに性病までうつし、さらに創作活動を邪魔した。
離婚を周囲が考えた時には身篭っていた、ゆえに結婚したが・・・けっきょく悪化する一方・・・。
で、当然離婚交渉となるのだが、底意地の悪い夫は娘の親権を譲らず、それに対抗して自分の母に託すことを懇願する遺書をのこして、夫との離婚協議中に服毒自殺を遂げる・・・悲しすぎる。
みすゞはその理不尽な世を憂いたでしょうネ、そして、極楽浄土を夢見たか・・・。
生誕の地、長門市では、金子みすゞを顕彰するために、全国俳句大会などを開催し、「みすゞ忌」を季語として定着させる活動してきた。
俳人はどんどんみすゞ忌で詠みましょうよ、それが供養になると、私は信じています。
みすゞさん安らかに~第90回みすゞ忌~はこちら→『みすゞ忌法要2019/長門市ホームページ』
みすゞの詩には、絶対的な孤独と愛がアル。
だから、なおさら、悲しいのです。
【つもった雪】
上の雪、さむかろな。
つめたい月がさしていて。
下の雪、重かろな。
何百人ものせていて。
中の雪、さみしかろな。
空も地面もみえないで。
【私と小鳥と鈴と】
私が両手をひろげても、
お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のやうに、
地面を速くは走れない。
私がからだをゆすっても、
きれいな音は出ないけど、
あの鳴る鈴は私のやうに
たくさんな唄は知らないよ。
鈴と、小鳥と、それから私、
みんなちがって、みんないい。
【さびしいとき】
わたしがさびしいときに、
よその人は知らないの。
わたしがさびしいときに、
お友だちはわらうの。
わたしがさびしいときに、
お母さんはやさしいの。
わたしがさびしいときに、
ほとけさまはさびしいの。
みすゞが天上界で安らかに過ごしていることを願います。
金子みすゞ記念館→「金子みすゞ記念館HP」
金子みすゞ記念館館長の矢崎節夫氏が、みすゞ死後に埋もれていた遺稿を見つけだし、『金子みすゞ全集』として出版した功績はあまり大きい、まさに文学界の大偉業であります。
金子みすゞが命を懸けて守ったご長女の上村ふさえサンは、今年は九十四歳・・・。
ただし、金子みすゞの生涯や著作権については、アレコレと異論がでており、そのあたりはググッて頂きたい。
まぁ、藝術も宗教のようなモノでアルことは、確かだが・・・。