弥生(やよい)。
3/24・本日・【 檸檬忌/れもんき】&『磯貝碧蹄館/いそがいへきていかん』の命日。
檸檬忌の空トパーズに深まりし/小栗釣月
本日、三月二十四日は、
作家、梶井基次郎/かじいもとじろうの命日デス。

1901年(明治34年)2月17日~1932年(昭和7年)3月24日
昭和7年没・・・・31歳、本当に若い、おしいね。
代表作【檸檬】から檸檬忌と呼ばれています。
川端康成の「伊豆の踊子」の校正を手伝ったエピソードは有名デス。
洋楽通でもありました、マルチなお方ですね。
【桜の樹の下には】
「桜の樹の下には屍体が埋まっている!これは信じていいことなんだよ。
何故って、桜の花があんなにも見事に咲くなんて信じられないことじゃないか。」
梶井が檸檬を買い求めた店京都中京区寺町二条角「八百卯」は2009年1月に惜しまれながら閉店しました。
レモン爆弾を仕掛ける任務は誰がを引き継ぐのか?

蛇足、【檸檬忌】ではない、カタカナのレモン忌・・・・10月5日は智恵子の命日の『レモン忌』です。
さらに、もう、一人。
俳人、書家(金子鷗亭に師事)、磯貝碧蹄館の命日デス。
「地べたが法廷」汗の郵吏に科被するな/磯貝碧蹄館
*或る新聞に「郵便の乱暴配達」といふ投書あるも何をか云はん。
先づ郵便受箱をこそ備ふるべし。*
元郵便局員ならではの句。
また、俳号も変わっている、韓国の古戦場の名らしいが???

1924年3月19日~ 2013年3月24日
川柳の後、自由律句を詠んでいたらしいが、俳句へ転向。
1954年中村草田男に師事。
1960年『与へられたる現在に』で角川俳句賞受賞。
1966年『握手』で俳人協会賞受賞。
1974年俳誌『握手』を創刊し主宰する。
2013年3月24日、肺癌のため死去。89歳没。
作風は、独想独語独断。
師である中村草田男の言う、「第一発見者たれ!」の掟を貫く野武士だ。
では、碧蹄館の句を。
ジーパンをはき半処女や秋刀魚焼く
夜間飛行機子と七月の湯屋を出て
ロボットの腋より火花野分立つ
林檎買ひくる妻わが街を拡大せり
賀状完配われ日輪に相対す
水中に母の隠れ家真桑瓜
列柱・ハーブ・主の血の管を冬の月
草田男に愛され、嫉妬され、放された。
師弟関係とは難しいモノであることよなぁ~。
春寒(はるさむ)・春寒し。

猿声を聴き春寒の溪下る/小澤克己

余寒よりも春寒と春寒しは春の浅きが違う。
もちろん、春寒と春寒しの先には桜が見える。
都会は春爛漫のようだが、私の地元はまだ寒い。
今朝の気温は2℃、温暖の差が体をイタブルよ~。
それでも雪が降らないだけ良いと思わないとなぁ。

春寒しまだ月のもる梢ども/横井也有
春寒し人熊笹の中を行く/前田普羅
春寒し荒海に入る川一つ/安藤一郎
濡れ衣といふを一枚春寒し/利根川妙子
春寒し一人トランプする女/小栗釣月

春寒や光のにじむパステル画/祐森禰香
春寒や旅の地酒の呑み歩き/谷合青洋
春寒や叫びて切れる琴の糸/西川織子
春寒や封書の裏の緘一字/出口賀律子
春寒の女はキスを拒みけり/小栗釣月

春寒し猫を抱えて二度寝かな/小栗釣月
