3月30日~七十二候・その12[雷乃声発/かみなりすなわちこえをはっす]
春雷や煙草の箱に駱駝の絵/横山きっこ
ノートするは支那興亡史はるの雷/鈴木しづ子
春の雷アトランティスの浮上せり/小栗釣月

二十四節気の春分・末候、雷乃声発。
雷は、単体だと、夏の季語です。
天候不順な日本海側では、秋冬に多いのだが、
全国的には、圧倒的に夏に最も多いらしいので・・・。
春の雷は夏とは違いすぐ鳴り止むが音は大きい。
恵みの雨を呼ぶ春の雷と言う事になるだろうか?
では、春の雷。
春雷[しゅんらい]で、あります。
好きなものは玻璃薔薇雨駅指春雷/鈴木しづ子
春雷の地平線より来りけり/小川龍雄
春雷や魂はいま薔薇色に/わたなべじゅんこ
春雷やマーマレードを煮る夜更け/岡田万壽美
春雷に応へて熱きフラメンコ/吉村春風子
春雷に取られてしまひ真夜の夢/木内美保子
春の雷プリンアラモードの揺るる/小栗釣月

鳥帰る。
霞(かすみ)Ⅱ。
ヨク聞かれるのがネ~霞と霧ってどう違うんですか?
確かにわかりにくいカモですネ~。

霞は春の季語デス。
霧は秋の季語デス。
これは気象学用語ではないコトにご注意下さい。
霞は「たなびく」、
霧は「たちのばる・たちこめる」。
季語としての霞は、春の山野にたなびく暖かな水蒸気。
森羅万象が悉くほのぼのと薄れゆく淡い景色で、夜は霞を、「朧」と呼びます。
季語としての霧は、秋の冷たく細かな水の微粒子が、白い煙のように立ちのぼる事。
霞は、ほんわか暖かく軽いイメージ。
霧は、鋭利で冷たくやや重いイメージ。
と、私は思っています。

孤島なり霞のなかの落日は/金子兜太
富士山を霞の奥に見失ふ/稲畑汀子
曳船の霞んで上る隅田川/及川澄江
遠霞む開門橋までゆくところ/大東由美子
霞むほかなき山々の霞みけり/有働亨
父は霞みて母は朧に在します/大橋麻沙子
準急のしばらくとまる霞かな/原田暹
尾根筋の込み合うてゐる霞かな/土井田晩聖
古墳秘め夕べの山河霞みをり/村越化石
山鳩を吐き出す朝の八重霞/小栗釣月

楽しみにしていた春満月・・・雲が邪魔して全然観れんかったぁぁぁぁ(涙×涙)。