越中おわら風の盆(9/1~3)、二年続けて中止。
錆鮎や風に乗り来る風の盆
帯結びなほすちちろの暗がりに
by村上喜代子

富山市八尾地区で、
毎年9月1日から3日にかけて行われている、
日本を代表する祭であります・・・。
知らない人なんているのかしら???
恋歌や坂の町行くおわら盆/小栗釣月
三味線、太鼓、胡弓、という独特の哀調を帯びた越中おわら節。
そして、女踊り、男踊り、掛け値なしに、日本で一番洗練された踊りであろう。

美しくしなやかに踊る一団は、皆が流線型の美しい鳥追い笠を深々と被っている。
ゆえに、顔はよく見えない、この人に見せずに踊る行為こそが、自我を消し、人を捨て、
盆に迎えた祖先の精霊とともに踊っていることを体現している・・・と、言う事らしいのです。
風の、盆、なのであります。

泣くごとく胡弓風出て風の盆/大野林火
風の盆胡弓はときに子の声を/有馬朗人
ひとごゑの濃くなれば歌風の盆/岡本眸
土不踏高く上らず風の盆/阿波野青畝
月に見せむと爪立ちて風の盆/鷹羽狩行
踊娘の帯は黒繻子風の盆/清崎敏郎
胡弓三味五弦の揺らぐ風の盆/小栗釣月

「浮いたか瓢箪/軽そうに流れる/行く先ゃ知らねど/あの身になりたや」(越中おわら節長囃子)
夜も濡るる夫婦踊りか風の盆/小栗釣月