明日は、中秋の名月です。
名月や海に向かへば七小町/松尾芭蕉
名月や一人二人と廓坂/小栗釣月
月々に月見る月は多けれど月見る月はこの月/詠み人しらず
明日、九月二十一日(旧暦の八月十五日)は、【中秋の名月】。
晴れます、ど晴れですよ~、やった~、超ラッキー♪
なぜ?中秋の名月と言うのか興味のアル人は末尾【注】を読んでね。
で、今年の十五夜様を観れる人は運が良いのです。
なぜなら、2013年以来の、八年ぶりの満月なのですからネ~。
そして、来年、再来年と、十五夜様は満月ですヨ~♪

そうそう、十月十八日(旧暦九月十三日)は、
後(のち)の月(十三夜)ですのでお忘れなく。

名月や明けて気のつく芒疵/小林一茶
名月や眼ふさげば海と山/加舎白雄
名月や院へ召さるる白拍子/井上井月
名月や何やらうたふ海士が家/正岡子規
名月や門の欅も武蔵ぶり/石田波郷
名月やふくるにつけて泣上戸/松岡青蘿
名月や一灯かかぐ浮御堂/松瀬青々
名月やほどなく立ちし橋の上/上村占魚
名月や酒を抱えて友二人/小栗釣月

名月や湖水に潜むものの影/小栗釣月
【注】
月の満ち欠けによって暦を作っていた太陰暦(旧暦)では、七・八・九月を秋としていました。
ゆえに、その秋の真ん中の、旧暦の8月15日が中秋となります。
太陰暦では、朔日(一日)は、ホボホボ新月で、十五日は、ホボホボ満月でした。
しつこいですが、月の満ち欠けを基準にしていたから当然ですよね。
と言う事でありますから、中秋の名月が必ず満月になるとは限らないワケでございます。
夕月夜をぐらの山に鳴く鹿の声のうちにや秋は暮るらむ/紀貫之
いつも見る月ぞとおもへど秋の夜はいかなる影をそふるなるらむ/藤原長能
宵の間の月のかつらのうす紅葉照るとしもなき初秋の空/鴨長明
2021/09/20・秋の彼岸入り。
秋彼岸猫も仏に然も似たり/小栗釣月

秋のお彼岸の期間は、秋分の日(令和三年は・九月二十三日)を、中日として前後三日間を合わせた七日間です。
なので、九月二十日(月・祝)・彼岸入り、九月二十三日(木・祝)・中日、九月二十六日(日)・彼岸明けで、あります。
俳句では、ただ彼岸、といえば春彼岸をさすのが一般的デス。
なので、秋の彼岸に関しては、必ず『秋』を頭につけます、秋彼岸、後の彼岸、と言います。
一応、春は、ぼたもち(牡丹餅)、秋は、おはぎ(萩餅)と言う事になっています。

秋彼岸今年はおはぎ作らずに/熊谷みどり
生者には大きなおはぎ秋彼岸/平賀節代
あちこちにきな粉こぼして秋彼岸/中山純子
あき彼岸祖母のおはぎは小振りなり/小栗釣月

鯉はみな口開けしまま秋彼岸/赤松郁代
鯨にも河馬にも秋の彼岸かな/三神あすか
ときに犬さびしきかほを秋彼岸/山上樹実雄
お仲間の秋の彼岸の野良といる/小栗釣月

輪廻転生はあるのだろうか?
お祖母ちゃんは信じていたようです。
犬も猫も人の生まれ変わり、可愛がらなくては、と。
当然、仏教的の理論上?は、すべての生き物が生まれ変わり?なのですが…。
幼い時に言われたことを、お祖母ちゃんの笑顔と共に思い出す、秋の彼岸です。
