野分Ⅱ+颱風(台風)。
9/26・本日・【秀野忌】
夏の月肺壊[く]えつつも眠るなる
蝉時雨子は担送車に追ひつけず
短夜の看護り給ふも縁かな
子にうつす故里なまり衣被
鐘鳴れば秋はなやかに傘のうち
ゆく秋やふくみて水のやはらかき
本日、9月26日は、石橋秀野(いしばしひでの)の忌日です。

*1909年2月19日~1947年9月26日*
与謝野晶子に短歌を、高浜虚子に俳句を学ぶ。
文芸評論家、山本健吉(俳号竹青)と結婚。
戦時中の疎開生活中に病に侵され、昭和22年(1947年)9月26日、京都宇陀野療養所にて39歳の若さで死去。
死後1949年(昭和24年)に刊行された句文集『櫻濃く』は有名。
【秀野忌】
秀野忌のいとヾも影をひきにけり/石田波郷
秀野忌の秋冷触るる薔薇の白/西島麦南
秀野忌の月をひとしづくと数う/橋本喜夫
秀野忌や秋の螢を病むといふ/石川桂郎
秀野忌より波郷忌までの山の色/西田もとつぐ
秀野忌や袂を過ぐる雅び言/小栗釣月
美人薄命ですね。
「俳句なんどなんのためにつくるのか。
飯の足しになる訳ではなし、色気のあるものでもなし、
阿呆の一念やむにやまれずひたすらに行ずると云ふより他に答へやうのないものである」
鳥が鳴く吾妻秋草恋ひ泣きし/山本健吉
*妻の秀野の追悼句会での健吉(四十一歳)の一句。