旧暦一月六日・本日・【良寛忌】

いたづらに 過ぐる月日は 多けれど 花見て暮らす 春ぞすくなき/沙門良寛
良寛、号は大愚。
宝暦8年10月2日〔1758年11月2日〕~天保2年1月6日〔1831年2月18日〕
何ごとも 移りのみ行く 世の中に 花は昔の 春にかはらず/沙門良寛

冬ざれや主帰らぬ五合庵/小栗釣月

良寛、越後の巨人にて、宗教界の至宝。
私の良寛を書いたBlogを幾つか→良寛様to村上藩・・・・『青田のかり(雁)は心して行け』
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五合庵にて、旧暦7月15日の事だったらしい・・・『たくほどは・・・』
詳しくは、アレコレTOググッて下さいませ。
近代短歌復興の功績は正岡子規が大でありますが、會津八一から良寛を知った子規が、
その万葉調たるを、伊藤左千夫に教えたる事が、完全復活を遂げたに至った由縁なのであります。
さらには、『アララギ』の主体となり、斎藤茂吉などへ受け継がれてゆきます。
【良寛忌】
佐渡見えず海荒るるのみ良寛忌/清田阿賀人
佐渡恋ひの佐渡あらぬ日や良寛忌/杉山岳陽
荒海の風びようびようと良寛忌/高村寿山
梵鐘の佐渡へ響けと良寛忌/石川寿美
一会合を怠けて出でず良寛忌/山田みづえ
良寛忌ここにも恋ふる我がをり/志方桜子
猫の名は沙門としたれ良寛忌/ならぶ真希
墨汁の跳ねるにまかせ良寛忌/柳里笙
祖母唄う毬歌忘れ良寛忌/小栗釣月
では、良寛の冬の俳句を少々・・・。
疑ふな六出の花も法の色
初時雨名もなき山のおもしろき
落ちつけばここも廬山の時雨かな
木枯を馬上ににらむ男かな
柴垣に小鳥集まる雪の朝
湯貰ひに下駄音高き冬の月
最後に私のお気に入りの、良寛の漢詩をご紹介して終わります。
花無心招蝶
蝶無心尋花
花開時蝶来
蝶来時花開
吾亦不知人
人亦不知吾
不知従帝則
花は 心無くして蝶を招き
蝶は 心無くして花を尋ぬ
花開く時 蝶来たり
蝶来る時 花開く
吾も亦 人を知らず
人も亦 吾を知らず
知らずして 帝の則に従ふ