令和四年一月、【俳句愛好会・幹】今月の句、落掌致しました。
今年の雪は重いから大変だ。
変異株が猛威を振るっています。
連衆の皆さんは日々如何お過ごしですか?
私はすべてのLIVEが延期になりまして・・・残念。
でも、仕方ないですね、四月ごろには落ち着いて欲しいものです。
さて、今月の俳句愛好会[幹]の兼題は、【初鏡】でした、他、新年と冬の自由題。

投稿いただいた会員の皆さんへの、添削&アドバイスは随時。
会報は二月十日ごろまで送付します。
尚、次回の兼題は、春の季語のど定番、『鶯』です。
別名、多し、匂鳥、歌よみ鳥、経よみ鳥、花見鳥、春告鳥、人来鳥。
え~、大正から昭和の初期には、『鶯』の鳴き声を競わせて遊ぶ【鳥合せ】が盛んだったそうですヨ。
傍題の初音、鶯の谷渡り、流鶯、などは、今回なるべく使用しないで、『鶯』で、ストレートに詠んでみましょう。
まだ『鶯』の早い地方も多いかと思います、しかし、季節は先取りするぐらいが良いのです、記憶の『鶯』を詠むのも一興です。
フルシーズンで会える『鶯』、我々に一番近い鳥ではないでしょうか。
私の住居は城址の麓・・・竹林の鶯が毎年楽しみなのです。
連衆の皆さんは何処で『鶯』の声を聴きますか?
とは言え、田舎では日常である『鶯』の声も、都会に住んでいた時には聴く機会はありませんでした。
キャンプや山菜取りに行って、非日常ではじめて聴くことが出来たのです。
ド田舎でも年々少なくなっています。
『鶯』の声は無くなって欲しくないなぁ。
では、例句です。
うぐひすや寝起よき子と話しゐる/星野立子
のどかな春の朝の風景だ。
母はとてもご機嫌である。
幼い子の寝起きの良いのは助かる。
娘との会話は楽しく幸せな時間だろう。
この子は立子の長女、俳人の星野椿女史(91歳)だろう。
前「玉藻」主宰であり、現「玉藻」主宰の星野高士氏の母だ。
立子自慢の長女は立派に系統を残した。
まぁ、個人的に俳句結社の世襲は如何なものかとの思いもあるが・・・。
鶯のしきりに鳴いて風呂ぬるし/本田あふひ
朝風呂だろうか、なんともトボケタ一句だ。
華族のお嬢様の句だと思うと猶更オモシロイ。
写真が残っています、なかなかの美人ですよ~(笑)。
お風呂のお湯が最初からぬるかったのか?
それとも鶯の声を聴いているうちにぬるくなったのか?
どちらにせよ、微笑んでしまいますね。
鶯もこちらへござれお茶ひとつ/村上元三
鶯も、とある、縁側にお客さんが来ているのだろう。
鶯さん、恋の歌も良いけれど、少しはお休みなさいヨ。
私がもてなしますから、どうぞ「こちらへござれ」なのだ。
なんともユーモラスで春の暖かみまで伝わって来る。
鶯に居坐りし咳宥(なだ)めけり/赤座典子
春の風邪をひいた作者、通院の途中か?病院の庭か?
たぶん初音を聴いたのだ、春に初音を聴くのは感動である。
長引いている風邪で喉がイライラしているのだ。
しかし、鶯の声を中断したくいない、聴き洩らしたくない。
どうか今しばらく咳よ出ないでとの祈りだ。
うぐいすや坂また坂に息みだれ/馬場移公子
春の登山だろうか、それとも普通の散歩かな?
作者は坂の多い町にお住まいなのかもしれない。
うららかな春の日だ。
久しぶりの外出なのだ。
身体が少しなまっているのか?
息が乱れる。
立ち止まる。
応援は鶯の声、そして、再び歩き出す。
ゴンドラがゆく鶯の声の上/山田弘子
このゴンドラは、気球、飛行船のモノでは無く、ロープウェーだろう。
山からロープウェーで下った時にこの句と同じ経験がある。
鶯が下の方で鳴いていたのだ。
声が下から上がって来る。
なんとも不思議な感覚だった。
そして鶯に導かれているようにも思えた。
空耳の鴬でよし山降りる/豊田都峰
春、山に行くと期待するのが鶯の声だ。
初音を聴きに登山する人もいると聞く。
鶯の声ばかり考えて、聴いたような気になった?
いや、聴こえたのだ、でも、他人に違うよ、鶯じゃないよと言われた。
いいんだよ、私が鶯と思ったからと心の中で呟いた作者の声。
他、なるべく春の季語と自由題です。
締切は二月二十六日です。