啓蟄。
啓(けい)は「ひらく」。
蟄(ちつ)は「土中で冬ごもりしている虫」。
啓蟄や娘を箱に入れ直し/飯島士朗
漢字の「虫」とは毒蛇の蝮を表した象形文字。
昔々、爬虫類も両生類も虫と呼んでいました。
あの名作漫画、『蟲師』の蟲と言う漢字が本来の昆虫を表す漢字です。

なので、詩歌句では、爬虫類も虫のお仲間としています。
蟄虫啓戸(すごもりむしとをひらく)。
戸(穴)を。
啓(ひら)いて。
土の中の虫たちが出てきます。
季語としては、『地虫出づ』or『地虫穴を出る』、またこの時期の雷を、『虫出雷/むしだしかみなり』。
東山はればれとあり地虫出づ/日野草城
出し穴を離れずにゐる地虫かな/粟津松彩子
蒲団叩く音を二階に地虫出づ/平本くらら
地虫出づ兵馬俑を引き連れて/望月暢孝
地虫出てはや猫どもに飾らるる/小栗釣月

夕方から雪が降るんだよ、嫌だなぁ~。