霞。

森霞む日付けの赤き日曜日/櫛原希伊子
暫く雨が続きます。
我が越後の國は霞にけぶりつつ春を待ちます。
春霞などと言いますが、『霞』単独でも春の季語です。
「霞/かすみ」は明るい間のみに使い、夜になると「朧/おぼろ」となります。
霞と朧に見え隠れする花鳥風月・・・たまりませんなぁ~、美しい。
ちなみに、春は霞ですが、秋は霧となります。
霞はたなびく、霧は立つ、であります。
春の霞は、軽く・暖かく・柔らかく、「たなびく」のであります。

では、『霞』。
われは恋ひきみは晩霞を告げわたる/渡辺白泉
平家村霞の中を耕すか/笹倉さえみ
安房を見せ伊豆は隠して春霞/鷹羽狩行
山彦を眠らすほどに霞みけり/佐々木東道
弟と日暮れを立てば鐘霞む/柴崎七重
夕暮れの母泣く丘の霞けり/小栗釣月
