春待つ(冬の季語)。
雨が続き、連休は雪マークだ。
もう積もる事はないだろうけれども・・・。
春らしさは微塵もない(笑)。
雪国、そして、震災後の東北に春は意味深い。
そうだっ、春は希望の象徴だ。
そして、どうしても、あの震災にリンクする。
振り出しに戻りし春を待つ身かな/小栗釣月
本来、春を待つのは、冬の終わりだ。
厳しい寒さが峠を越し春を間近に感じ心待ちにする晩冬だ。
しかし、それはエリアによって異なる。
東北は、まだまだ・・・関東ならばお正月頃からすでに春の予感はある。
晩冬の季語、春を待つ。
ゆえに、この季語は難しい。
例えば、この句。
なんとなく街がむらさき春を待つ/田中裕明
高貴で御目出度い色、紫、お正月のイメージ?
このボヤァ~としたノホホンとした感じが都会の正月らしい。
今、暦の上では春なのに、雪国や東北では四月にならないと春を実感できない。
今回は、季節外れの季語をお許し願いたい。
私も心から春を待つ身であります。

友待つは春待つに似て改札に/山田弘子
春待つや愚図なをとこを待つごとく/津高里永子
春待つや薔薇の名前を言う遊び/津田このみ
ペンギンの春待つかたちしてをりぬ/高田令子
春待つや工房に積む佐渡の竹/石鍋みさ代
春待つや地酒の蔵の幟旗(のぼりばた)/小栗釣月

地元の桜の開花は四月十日ごろのようだ。