4/30・本日・【荷風忌/かふうき】
色町や真昼しづかに猫の恋
うぐいすや障子にうつる水の紋
葉桜や人に知られぬ昼遊び
荷風の句は、『自由律俳句 京都・泉の会 ブログ』の、こちらにて鑑賞下さい。→『永井荷風の50句』
本日、四月三十日は、私が文学者として、最も尊敬する、永井荷風の忌日デス。

明治12年(1879年)12月3日~昭和34年(1959年)4月30日
代表作は、『ふらんす物語』・『墨東綺譚』・『つゆのあとさき』・『断腸亭日乗』などなど。
で、この写真こそが荷風らしい。

漱石も鴎外も国費で外国へ勉学に行った、しかし荷風は、米仏外遊であった、この差は大きいのだっ(笑)。
大人気作家の荷風が、女性にあまり評判がヨロシクないのは、荷風の相手の多くがプロの女性だったからかもしれませんね。
また、二度の離婚、そしてカナリ女性に対して薄情な風に思われている由。
私、思うに、男の本質は二つ・・・自己中心的な薄情者or利己的な変質者(ストーカー)でアルと(笑)。
権力に媚びない、そして、ブレないその姿勢は戦中でも同じであった、ゆえに、戦後に熱狂的な再ブームを起こすコトになる。
谷崎との逸話やら、とにかく面白い話はメチャクチャ多いのだけれど、キリがないので、荷風に興味のある人はググって見て下さいネ。
【荷風忌】
独り身の自由が淋し荷風の忌/山田具代
荷風の忌墨東の川すぐ濁る/福島勲
荷風忌の踊り子がガムを噛む楽屋/伊藤黄雀
荷風忌の雲の移り気見てゐたり/吉川高詩
荷風忌や精養軒のオムライス/佐藤紫城
荷風忌を駱駝に乗りて遊びけり/有馬朗人
レッスンの脚よくあがる荷風の忌/中原道夫
牛鍋てふ店まだありし荷風の忌/斎藤由美
荷風忌の近しひそかに潮上げて/片山由美子
荷風忌の午後へ踏切渡りけり/宮崎夕美
荷風の忌着崩れしまま水茶漬/小栗釣月
辞世句はいくつも説があるんですが、私が好きな句を。
【紫陽花や身を持ちくづす庵の主】

マジ、あやかりたい〈笑〉。
で、最後に、戦時中の昭和十五年、俳句弾圧事件の最中に、高浜虚子を中心とした俳人たちが軍部の体制に迎合して結成した、「日本俳句作家協会・1940年12月21日設立」に対しての、荷風の辛辣な批判を、『断腸亭日乗』の原文のママここに引用したい。
俳句を詠むすべての人はこの言葉を心に刻むべきであると思う。
ちょっと長い文章であるが是非読んでいただきたいのであります。
昭和十五年(62歳)十二月廿二日。日曜。晴。
前文は省略。
世上の噂をきくに、
発句(俳句)をつくるものども寄り合ひて日本俳家協会とやら称する組合をつくり、
反社会的また廃頽的傾向を有する発句を禁止する規約をつくりし由。
この人々は発句の根本に反社会的のものあるを知らざるが如し。
俳諧には特有なる隠遁の風致あり。
隠遁といひ閑適と称するものはこれ即ち発句独持のさびし味なり。
即ちさびなり。
もしこれを除かば発句の妙味の大半は失はれ終るべし。
芭蕉の生涯と、その吟詠と文章とを見なば今更片言隻語を費すの要なし。
現代の日本人ほど馬鹿ゝゝしき人間は世界になし。
いやぁ~、さすがデスね~キッパリ言い切りますネ~(笑)。
この、続きは是非、、『断腸亭日乗』で・・・。


22/04/29・今日は漫画三昧。
オススメの映画がないのでBlog掲載しません、ごめんなさい。
今日読む漫画。
愛読書・新刊。
【アンダーニンジャ 07】

【天国大魔境 07】

【葬送のフローレン 07】

【アオイホノオ 26】

【BLUE GIANT EXPLORER 05】

【怪獣8号 06】

【BABEL 10】・最終巻。

他。
本日は古い洋画の予定です。
新作は全然観る気がしないなぁ。
来月、『シン・ウルトラマン』を観に、映画館に行きたいけど、行けるか?

さて、本日は祭日(皇室の神道の祭の日)・・・昭和の日。
由来は皆さんのご存じの通りでありますが・・・昭和天皇誕生日で悪いのか???そのままでイイじゃないかっ。

紀元節や天長節の復活などと言うとパヨクとマスゴミが発狂するからなぁ~、でも、戻したいなぁ。
天皇皇后両陛下、万歳。

令和四年四月、【俳句愛好会・幹】今月の句、落掌致しました。
歳時記は、夏季となります。

実体的な夏のイメージは、梅雨明けかもしれません。
しかし、し・つ・こ・い・ですが・・・五月五日から、季語は夏季となりますのでヨロシクです(笑)。
さて、今月の俳句愛好[幹]の兼題は、【耕(たがやし)】でした、他、春の季語で自由題。

投稿いただいた会員の皆さんへの、添削&アドバイスは随時。
会報は五月十日ごろまで送付します。
尚、次回の兼題は、初夏の季語の、『薔薇』です。
ちなみに、私は、ピエールドロンサールが好きかなぁ。
今まさに開く・・・ってあたりが最高に好きデスね~、タマリマセン。

薔薇の花、通年のイメージがありますが、元々は一季咲で初夏の花だったらしい。
それが、多種多様に改良され、二季咲き、四季咲きとなり、世界中に広まりました。
薔薇は暖かいエリアの花で、初夏の冷涼と乾燥を好み、病気にはとても弱くて繊細だ。
四季咲きは、夏季剪定と言って、梅雨が来る前に蕾を摘み取り秋にも咲かせるケースが多い。
友人知人が薔薇を育てていますが、人間の子供を育てるように手をかけています。
Night and Day + All seasons 優しく慈しみ、大事に大事に・・・普通は真似できませんヨね~。
美しい色を出す高額な肥料や薬剤、植え替え、剪定、真冬の根切などなど、手間が半端ない。

薔薇の芽が、春の季語。
そして、薔薇は、夏の季語となります。
他、秋薔薇・冬薔薇、と、冠に季節をつけます

『薔薇』。
傍題、薔薇園、花薔薇、野薔薇、など。

では、例句。
薔薇熟れて空は茜の濃かりけり/山口誓子
赤い薔薇の花が大きく開き零れそうなのだ。
夕日が沈み始める・・・空は茜色に濃く染まってきた。
互いの赤が競うように激しく燃え尽きるその一瞬を捉えた。
抒情的と言う言葉はこういう句に使うべきだ。
月いでて薔薇のたそがれなほつゞく/水原秋櫻子
誓子の薔薇は闇に溶けてしまったが・・・。
秋櫻子の薔薇は、夕月がまだ照らしているのだ。
そして、闇が訪れても、月が淡く優しく薔薇を慈しんでいる。
薔薇たちは、はなかなか眠りにつけないでいる・・・。
月が完全に背景として使われている、見事だなぁと思う。
言葉にて受けし傷膿む薔薇の苑/寺井谷子
真紅の血を流したような薔薇の苑に佇んでいるのだ。
昔受けた言葉の暴力・・・頬も叩かれ唇が切れた時の血の匂い。
薔薇の苑で、その時の記憶が昨日のことのようにありありと蘇った。
心の傷は完治などしない、深層で膿んでいるのだ・・・。
薔薇を抱き込み上げて来るものを抱き/蔦三郎
結婚式で薔薇の花束を受けたのではないか?
退職のセレモニーのイメージは感じられない。
新郎新婦から両親への花束贈呈だろう・・・式のクライマックだ。
私も親なのでなんとなくわかる・・・込み上がて来るものは、あまりに多い。
こんな句もある・・・慶びの薔薇の香よ座に行きわたれ/山田弘子
おばさんのような薔薇園につかれる/こしのゆみこ
この句を詠んだ時の作者は五十八歳のはずだ。。。本人も、おばさんだ(笑)。
女性は薔薇園が大好きである、いつも満員だ。
圧倒的な数の薔薇に最初は喜び、見終わる頃には疲れ果ててしまう。
元気で押しが強く個性的で饒舌で派手なオバチャンとの突然の合流の如し・・・。
同性でも嫌なものなのか(笑)。
薔薇園の薔薇の醜態見てしまふ/嶋崎茂子
薔薇の花言葉は、薔薇の数だけあるらしい(笑)。
また、数や色や大きさによってそれぞれ意味を持っている。
だから、女性に薔薇を贈るときには十分気を付ける必要がある。
美しい薔薇も、気品のある女性でも醜態をさらす事がある、美しさ故に激しく・・・。
薔薇の香の咲き崩れんとして強し/今橋眞理子
崩れてもなお甘い香りを残す薔薇の花弁。
散り際に精一杯の芳香を放ったのだ。
愛が消えた恋人同士の別れの時の笑顔のように。
薔薇も女性も強し・・・男はオタオタするだけだ。
バツイチも詩人を真似て薔薇を買ふ/小栗釣月
バツイチは・・・(笑)、詩人は啄木だ。
友がみなわれよりえらく見ゆる日よ花を買ひ来て妻としたしむ
妻がいなくても、薔薇を買いたい時がある(笑)。
薔薇は、男にとっても魅力的な花なのですヨ、棘があってもネ(笑)。
急に、古い歌で・・・シモンズの恋人もいないのに~♪を想い出した(笑)。
たまぁ~には、奥様に薔薇の花でもネ。
本数は、三本が妥当ではないかしら(笑)。
え?どうしたの?やましいことでも?、浮気してる?
などと思われませんように、十分なご注意を・・・(笑)。

本数による薔薇の花言葉。
一本、 「一目惚れ」
二本、 「この世界に二人だけ」
三本 、「心から愛しています」
十一本、「最愛」
百本、「完全な愛」
百八本、「私と結婚して下さい」
九百九十九本・・・「幾たび生まれ変わっても貴方を愛します」
ですと、普通はせいぜい十一本ですね、映画じゃないんだから(笑)。

他、夏の季語で自由題。
締切は、五月二十八日です。
雲雀(ひばり)。
雲雀の声を聴きながら、ランチにしたヨ。
いいモンですなぁ、青空に雲雀。
幸せ気分、満喫して来ました。
ハムカツの厚し雲雀の歌高し/小栗釣月

さて、雲雀ほど愛されている鳥はいないのではないか?
国民的な天才歌姫、美空ひばりは、まさに、春の青空で歌う雲雀であった。


雲雀より空にやすらふ峠哉/松尾芭蕉

雲雀は青空が似合う。

揚げ雲雀天は光の海となす/小栗釣月
春の季語、雲雀も傍題が多い。
告天使、初雲雀、揚雲雀、落雲雀、朝雲雀、夕雲雀、雲雀野、恋雲雀など。
春の空は雲雀の天下だ、高く舞い上がり一日中のどかに「ピゥ~シュルピゥルリ~ピィィィィl」と、囀る。


わが背丈以上は空や初雲雀/中村草田男
天国の鍵銜(くわ)へ来よ揚雲雀/鷹羽狩行
九霄(きうせう)のまだ見つからぬ揚雲雀/中原道夫
こざかしや落つると見えて揚雲雀/千田百里
ひばり鳴け母は欺きやすきゆゑ/寺田京子
揚雲雀一筆啓上仕る/武田菜美
空はいま優柔不断揚雲雀/小枝恵美子
揚ひばり空に休みにゆくところ/大島雄作

啼き疲れ雲雀留まる昼の月/小栗釣月
薔薇の芽。

薔薇は夏の季語、薔薇の芽は春の季語デス。

くれなゐのヴァージンロードばら芽吹く/小栗釣月

はい、沈黙の中でこそ、薔薇の芽は美しいのですヨ。

薔薇の芽に朝日は色を持たざりし/星野高士
薔薇の芽や覇者と成るもの成らぬもの/清水晃子
薔薇の芽やグリム童話は棘隠し/鳴海清美
薔薇の芽や共に相手の言葉待つ/田村園子
薔薇の芽や新生活の白き家具/壬生きりん
薔薇の芽や姉より若き未亡人/小栗釣月

+本日は、<よい風呂の日>。
よい(4)風呂(26)の語呂合わせ。
正式には、2014年4月26日、映画「テルマエ・ロマエ2」の公開に合わせて、日本記念日協会により制定されました。


親子で一緒にお風呂に入る、それほど幸せなことはないですね~。
「テルマエ・ロマエ」、馬鹿馬鹿しくて笑える・・・映画も良いですが、漫画も是非。