【五月尽】&最新のお友達猫ちゃんザグ。

糠床に塩をふり足す五月尽/保坂加津夫
みかん山海見下ろして五月尽/細見綾子
嫁ぐ娘が父に酒つぐ五月尽/伊藤一歩
留守電はサンデエゴより五月尽/醍醐季世女
五月尽任重而道遠(にんおもくしてみちとほし)/松山律子
松の芯こぞりて競え五月尽/鈴木勢津子
沈む日のあまりに大き五月尽/三浦カヨ子
裏窓に陽の恵みある五月尽/小栗釣月

突然ですが、お友達猫ちゃんのご紹介。
私の通り道と言うか、散歩コースと言うか、
吟行コースのお友達猫ちゃんは以下の通り。
金太郎(本名)・ニャン三号(本名)・ノア(本名)・リンリン・デビル・マダラン。
そして、新しいお友達猫ちゃん。
とりあえず・・・名前は、ザグ。
この子は私に会うとお腹を見せて三回転げます(笑)。
ゴロゴロも大きくて長いんですヨ~(笑)。
愛を実感しています(笑)。

この日は、六回目のオヤツタイム。
上手く顔が撮れません、次回は頑張ります。
雨の日は猫ちゃん達に会えないから出かけません(笑)。
昨日までの晴れは嘘のよう・・・ずっと雨が続きます。
明日から六月って、はやっ(笑)。
朝夕は寒く、日中は、もやぁ~とした、変な五月だったなぁ~。
【朝焼】+『四十雀(しじゅうから)』

この画像、実は五月二十五日にスマホで撮影した夜明の空だ。
飛行機雲が朝焼けで赤くなっている、右端の中央の白く小さいポツンとしたヤツが有明の月だ。
月が見えない方は、画像をクリックして頂きたい。
野暮用で朝帰りをしたお陰で、こんない良いものが観れたというわけだ。
と、今日は、超お気に入りのさえき奎氏のブログ・・・『酒とソラの日々』風にやってみたが如何か・・・(笑)。
チリチリと飛行機雲の朝焼て/小栗釣月
梅雨が来る前の朝焼が良い。
ほととぎす鳴きつる方を眺むればただ有明の月ぞ残れる/後徳大寺左大臣
この日は誠に、この歌の通りで感動した。
時鳥の声、さらに、鶯、キジバト、燕・・・。
そして、飛行機雲と有明の月、ちょっとしたお祭だったよ(笑)。
赤く燃えた飛行機雲はその後、初夏の空を駆け巡り。

四散した。

夜の月専門だった私が、さえき氏の影響により最近は昼も空を見上げている。
朝焼の雲海尾根を溢れ落つ/石橋辰之助

朝焼けと夕焼け、いずれも夏の季語。
夕焼けて朝焼けて田の出穂の日日/長谷川素逝


通年見られる、朝焼けと夕焼けが何故夏の季語なのか?
それは、夏が殊更鮮やかなのでと言うコトらしいです。
反論もあるかと思いますが(笑)、そう言われると確かにそうかもなぁ~と(笑)。

朝焼のうつくしさおわかれする/種田山頭火
おほうみは朝焼したり朝寝かな/山口青邨
どろりと朝焼地球儀から噴水/三橋鷹女
朝焼や波の奪ひし鴉の餌/鈴木真砂女
朝焼の汚れた雲を洗濯する/富澤赤黄男
朝焼の国上山より佐渡を見ゆ/小栗釣月

明日から一週間も雨が続く・・・このまま梅雨入りか(涙)。
今朝(05/30)、四十雀が来た。
「ツピツピツピツピ」と特徴のある声だ。
去年よりなんと二十日以上も早い。
留鳥、夏の季語、春に巣立つ。
ゆえに、春の季語でも良いような気もするが・・・。
神苑の樹に巣立ちたる四十雀/鈴木幸市

市街地に雀の次に登場する小鳥だと思う。

四十雀つれわたりつつなきにけり/原石鼎
追ひすがり追ひすがり来て四十雀/石田波郷
掃き終へし庭に来てをり四十雀/柏原眠雨
鳴き交はす檜山杉山四十雀/根岸善雄
昧爽に晴れを予言す四十雀/小栗釣月

五月も早かったなぁ、あと、一日か。
【卯波(うなみ)】+『晶子忌/あきこき』
コメントのお返事やBlogへのご訪問は遅くなります。
綿津見の鳥居へ卯浪また卯浪/藤埜まさ志

卯波立栄枯盛衰壇ノ浦/小栗釣月

陰暦の四月は「卯の花月」で卯月(うげつ)。
なので、現在の五月から六月上旬の頃の波ですネ。
晩春から初夏にかけての低気圧によって立つ白波です。

名前の由来は、その白波が立ち騒ぐ様子を、
卯の花が風になびく姿になぞらえて、と、言う説が有力です。
まぁ、日本は長くてネ~、海の景色も千差万別。
さらに、日本海側と太平洋側では波の感じが違いますよね~。
ゆえに、卯波と言う季語は、とても難しい季語なんです(笑)。

あるときは船より高き卯波かな/鈴木真砂女
卯波より虹の生まれて空近し/高木伸宜
松陰の潜みし小島卯波立つ/中西和子

浜茶屋は骨組みのまま卯波立つ/朝妻力
断崖に小さき祠卯波立つ/辰巳陽子
曳船の一万馬力卯波切る/小栗釣月

友垣の漁港寂れて卯波果つ/小栗釣月
卯波分け五十路の弟子に会いに行く/小栗釣月
卯波寄す草薙剣(くさなぎのつるぎ)は何処/小栗釣月
『晶子忌』
やは肌のあつき血汐にふれも見でさびしからずや道を説く君
本日、五月二十九日は、歌人・詩人・作家・思想家、与謝野晶子の命日(64歳没)デス。

明治11年(1878年)12月7日~昭和17年(1942年)5月29日
歌集『みだれ髪』(なんと23歳の作品)を知らない人はいないでしょう。

作品を大量生産する様を、かの森鴎外が「晶子曼荼羅」と讃えたとか(笑)。
歌も、子供(十一人)も、大量生産(笑)・・・正に明治の肝っ玉母さんですヨ(笑)。
【晶子忌】
口紅の汗かいてゐる晶子の忌/黛まどか
晶子忌や壺にあふるる紅薔薇/片山由美子
夫の目を髪が意識す晶子の忌/下川初秋
晶子忌やをんなますます強くなり/小栗釣月
晶子は温泉好きで日本中を旅して各温泉地で多くの歌を詠んでいます。
実は、私の地元、瀬波温泉に宿泊して多くの歌を残しました。
しかし、ご主人の鉄幹さん(妻をめとらばぁ~、の人)の影の薄いこと、ま、仕方ないですね。
令和四年五月、【俳句愛好会・幹】今月の句、落掌致しました。
榛谷(はんがい)美枝子女史の創語であります『リラ冷え』は、多分もっとも新しい初夏の季語ではないでしょうか?
リラ冷えや睡眠薬はまだきいて/榛谷美枝子
昭和35年のこの作品で、最初に『リラ冷え』が使われました。
*注*こちらが早く35年で、~リラ冷えやすぐに甘えてこの仔犬/榛谷美枝子~
上の句が37年説もあります。

その当時、作者は寝つきが悪く眠剤を飲んでいたんだそうです。
ぼんやりと目覚めた朝・・・肌寒さを感じつつ庭のライラック(リラ)が目に入った刹那。
突然・・・『リラ冷え』と前記の句が浮かんだのだとか。
その後、渡辺淳一の『リラ冷えの街』(昭和46年)で、認知定着し季語となりました。
作者は生涯札幌に在住したようです、そして2013年(1月26日.96歳の大往生)永眠されました・・合掌。

沖縄限定の季語、ウリズンのように、北海道の初夏の季語と言う事になりますね。
歳時記だけに捉われず、新しい季語を発見すること、また、自分で工夫するのも良いのではないでしょうか。
新しい何かに気づく事、初めての感覚を味わう事、新しい知識や智慧を得る事など・・・。
詩歌句の為だけでなく、己の知的好奇心を満たす事も生きる楽しみの一つと言えるのではないでしょうか?
さて、今月の俳句愛好会『幹』の兼題は、【薔薇】でした、他、夏の季語で自由題。

投稿いただいた会員の皆さんへの、添削&アドバイスは随時。
会報は六月十日ごろまで送付します。
尚、次回の兼題は、先取りで、晩夏の季語の、『登山』です。

10月3日が登山の日なんですよね~、晩夏から初秋が登山のイメージですかね~。
いやいや、一年中でしょと言う人もいれば、元ハードキャンパーである私は、断然、春と秋だと思いますけどね。
現在はもっぱらスポーツや趣味としての登山が主流ですが、本来、山は崇拝や信仰の対象でありました。
ご利益や宗教的な修行の為の登山であったワケですね、日本の75%は山なんですからね~(笑)。
オールシーズンの登山ですが、山開きが行なわれる夏が本格的なシーズン?でしょって意味合いもあり夏の季語です。

ご存じの通り、【山岳俳句】なるジャンルもあり、すべてのシーズンの山が季語になっていますよね。
見上げれば山がある環境にいる私は、普通過ぎてなんともなぁ~。
『登山』。
傍題、、登山者、登山人、山開き、山登り、登山口、登山道、初登山、登山宿、登山小屋、山小屋、登山帽、登山笠、登山靴、登山バス、登山電車、登山杖、登山馬、登山地図、登山網(ザイル)、ケルン、寝袋、などなど。
では、例句。

草刈が入りてかへらず登山径/前田普羅
山岳俳句の第一人者の一句。
作者の転機は富山県に赴任して立山連峰に感銘を受けその後山岳をしばしば渡り歩いた事だ。
能登半島、佐渡島、奥飛騨など、いわゆる、飛驒山脈全域へ足を延ばし創作をしたようです。
登山道の草を刈るボランティアに作者も参加したのではないか?
そのうちの一人がなかなか帰ってこないので心配している。
山菜取りでもしてるんではないかなぁ~(笑)。
『立山のかぶさる町や水を打つ/前田普羅』
天皇陛下が皇太子時代に国連の講演にて英語でこの句を紹介したお話は有名です。
健かな吾子と相見る登山駅/杉田久女
この句で思い出すのが・・・萬緑の中や吾子の歯生え初むる/中村草田男
作者の目的は登山ではない、緑陰の避暑へ向かう中途の風景ではないか?
緑が溢れる山間、命が活発な季節に作者の子も健やかに育ち嬉しくて仕方がないのだ。
幸福な日常を愛し、そして非日常へと向かう人の群れを見つめている。
作者には女の子が二人、長女は俳人となった石昌子。
犬が来て登山電車を見送れる/辻桃子
見送れる、だ・か・ら・犬は残されたわけね。
登山電車に犬は乗れないのか?
なんかの映画で登山バスには犬が乗っていたけどなぁ。
野良犬じゃないだろう、見送りの家族と一緒に来たのだろうか?
駅まで送ってくれた家族は車の中で待機・・・。
見送ってるのは愛犬だけのパターンかもですね(笑)。
岩に貼る登山教室予定表/木村滄雨
夏休みの子供向けのキャンプも兼ねた登山教室でしょうか?
岩に貼る・・・ワイルドですね~(笑)。
漫画や映画などに出てくるアメリカの小学生のサマーキャンプにも登山はあります。
三か月ぐらいお休みがあるんですからね~子供も親も大変です。
私も小学生の時に、県民少年団に入団していましたよ。あ、ボーイスカウトじゃないの、ソックリだけど(笑)。
制服がカッコ良くて入団したようなもの、歌までありました、この句は楽しかった夏休みを思い出させてくれます。

熊よけの鈴を響かせ登山帽/安部恵子
最近はオールシーズンに熊が出没する。
登山、山菜取り、危険なのはマムシと熊だ。
メルカリで笑ったのが、熊に金棒・・・熊よけベルの事だ。
大人気商品らしく、最近、小熊に金棒DXも発売された(笑)。
この句の鈴は登山帽にチョコンとついているのだろう、効果はあるのかな?
一塊の闇のまま過ぐ登山人/岩淵喜代子
真夜中の登山など予想も出来ないが・・・。
早朝かも?
人とすれ違う気配よりも先に闇の動きを感じた。
これは経験者じゃないとワカラナイ感覚なのかもしれない。
登山径いで湯の土間を通り抜け/原柯城
秘湯の湯か?
登山の中途で温泉に入って来たなんて話を聞く。
この句もそんな状況なのだろう、ちょっぴり滑稽でもある。
径は一般的に、小さい道を指す。
快晴や癒えし証にケルン積み/影島智子
本来は、ケアンと発音する、ケルンは日本のみ。
もともとは、氷河の高山帯の道標だったらしい。
日本では60年代の初頭から各地で現れた。
現在は危険防止のため行政は撤去を進めている。
山で亡くなった登山者の慰霊碑の目的もあるようだ。

他、夏の季語で自由題。
締切は、六月二十八日です。
【卯の花腐し(うのはなくたし)】+『東郷ターン』
ひと日臥し卯の花腐し美しや/橋本多佳子

陰暦の四月は「卯の花月」。
ザックリ、現在の五月から六月上旬ですね。
寧日の卯の花腐し庭帚/小栗釣月

古の人々は、今まさに、卯の花の時期の長雨を卯の花腐しと呼びました。
なぜなら、白く美しく咲くその卯の花を腐らせるように見える雨だからです。

永別の夜の卯の花腐しかな/山田弘子
持ち重る弱音卯の花腐しかな/北川孝子
卯の花腐し覚えなき痣二の腕に/谷口蔦子
人に疲れ卯の花腐し見つめをり/斎藤道子
卯の花腐しおしおきのやうに生きてゐる/篠田純子
長々と卯の花腐し眉を濃く/松村多美
なる様になれと卯の花腐し見る/斎藤道子
卯の花腐し猫の扉開いており/小栗釣月

本日、五月二十七日は、日露戦争、『日本海海戦の日』です。
名作、『坂の上の雲』の、クライマックスシーンであります。

1905年(明治38年)のこの日。
東郷平八郎が率いる日本艦隊が、ロシアのバルチック艦隊に対して大勝利をおさめました。

「東郷ターン」と呼ばれる丁字型陣形をとり、敵艦に対して一斉射撃をして勝利を収めたワケですネ。
「東郷ターン」をご存知ない方は、是非ググッて下さいマセ。
世論にギリギリの勝利だったと上手く広報できていれば・・・後の大東亜戦争の・・・いや、それは言いますまい。
私は、いまだにTV版の、司馬先生曰く・・・。
映像芸術として[翻訳]した【NHKの坂の上の雲】を観ておりません。
偉そうに、わたくしが、放送が始まったばかりの【NHKの坂の上の雲】にイチャモンをつけている記事は、こちらをクリック→[師走と【坂の上の雲】放送について。]
意固地な性格は一生直りませんわ、とほほほほ。