青簾(あおすだれ)。
涼やかにして、艶っぽい、さすが恋多き夢二の句。
大正の浮世絵師などと呼ばれた夢二の美人画は有名。

さらに、夢二と言えば、『宵待草』でしょう。
原詩、夢二のひと夏の儚い恋。
遣る瀬ない釣り鐘草の夕の歌が あれあれ風に吹かれて来る
待てど暮らせど来ぬ人を 宵待草の心もとなき
想ふまいとは思へども 我としもなきため涙 今宵は月も出ぬさうな

歌。
待てど暮らせど来ぬ人を~♪
宵待草のやるせなさ~♪
今宵は月も出ぬそうな~♪
夕簾捲くはたのしきことの一つ/篠原梵
夕刻になって、涼しい風を入れるために簾を巻き上げた。

今、この様な風景はあまり見ないですね~。
網戸さえない家もあると聞きますわ。
簾はファッション的な日よけになってしまったなぁ。
「簾」は夏の季語。
やはり涼しさをアップする為に、アタマに『青』をつけたい。
大昔、青竹で編んだ青簾こそが、夏の象徴であり粋だったはず。
日本風のカーテンであり視覚で涼を感じる建物の一部でもあった。

青竹を用いて編まれた簾・・・私は二十年ほど見ていない。
おろしたての青簾の若々しい青い色とその香り・・・素敵なんですけどね。
現在の簾は、素材が葭やビニールで、着色していたりもしますね。
簾がないよりは、もちろん涼し気なのですが、やはり、本物が見たい私です(笑)。
泣きながら去りぬ女や青簾/小栗釣月

青簾いづれの御所の賀茂詣/宝井其角
鳥影も木影もさして青簾 /井上井月
青簾好いた同士の世帯かな/尾崎紅葉
住みあきし我家ながらも青簾/永井荷風
さし汐に青簾をあげし二階かな/長谷川かな女
青簾裏畠の花を幽かにす/芥川龍之介
青簾紙飛行機が触れて墜つ/齋藤朗笛
青簾下げて歎きの壁とせむ/鈴木栄子
青簾此岸彼岸を見る暮らし/小栗釣月

青簾この結界に不浄なし/小栗釣月
青簾かけて君待つ夕薄暮/小栗釣月
青簾見透かされてる下心/小栗釣月
ウクレレの海の記憶や青簾/小栗釣月
青簾母と添い寝の白昼夢/小栗釣月

七月が終わりますね。
早かったなぁ~。
あ、ヤバ、暑中見舞い・・・。
22/07/30・今日は漫画三昧。
オススメの映画がないのでBlogに掲載できません。
あ、Game of Thrones(ゲーム・オブ・スローンズ)。
全シリーズ観ましたヨ~。
今後、前日譚とスピンオフもあるんで、またまた楽しみデス。

え~と、今日読む漫画。
愛読書・新刊。
【SPY×FAMILY 09】人気爆発中。

【ワンパンマン 24】もはや無敵。

【昭和天皇物語 10】う~ん、原作の限界が・・・(笑)。

【ブルーピリオド 12】アニメ化されたみいたいだけど話題にならないなぁ。

【夏目友人帳 28】夏目レイコのスピンオフをそろそろやって欲しい。

【血の轍 13】唯一無二。

【極主夫道 09】ワンパタ~ンになってきたなぁ。

その他。
数冊。
愛読書の映画化。
【バイオレンスアクション 06】

橋本環奈を主演に実写化、来月公開予定。
あの、特殊なフワフワ感を出せるでしょうかね~。

新作映画が全然面白くないので・・・。
昨日は、【サイドカーに犬】を観ながら泣きました(涙)。

やっぱり、竹内結子様、最高だ。

今夜は「ストロベリーナイト」の劇場版でも観て泣くか。
令和四年七月、【俳句愛好会・幹】今月の句、落掌致しました。
私はひたすら、爽やかな秋の訪れを、只々願う日々でございます・・・はぁ、暑い。
あ、暦の上では来月の上旬には秋ですね。
八月七日は立秋デス、俳句の世界での季は秋に変わります。
秋の季語をゆっくりとお庭やお出かけ先で探してみましょう。
さて、今月の俳句愛好会『幹』の兼題は、『打水』でした、他、夏の季語で自由題。

投稿いただいた会員の皆さんへの、添削&アドバイスは随時。
会報は八月十日ごろまで送付します。
尚、次回の兼題は、秋の季語の、『新涼(しんりょう)』です。

『新涼』。
傍題、初めて涼し、秋涼し、秋涼、爽涼、早涼、初涼し、涼新。
例えば、夏の季語の「涼し」は、とても暑い中の涼しさと言う気分であります。
しかし、秋の季語の『新涼』は、秋の涼しさをダイレクトに肌で感じる事デス。
この違いをヨク考えて詠まなくてはなりません。

では、例題。
新涼や白きてのひらあしのうら/川端茅舎
作者は、子規と同じ脊椎カリエスに病み苦しみ、二十年間病臥にあった。
しかし、その句風は「茅舎浄土」と言われ、虚子に『花鳥諷詠真骨頂漢』と言わしめた・・四十三歳没。
絵画の師であった岸田劉生が他界した事が契機となり本格的に俳句を詠み始めたらしい。
茅舎が三十二歳ごろの事のようです。
白きてのひらやあしのうら・・・夏に焼けなかった体の部分。
絵画の道を志していた青春の夏の思い出と師への追慕か?
夏の余韻である日焼け、そして、鋭敏な素足に新涼を感じた感覚。
対比の見事さが素晴らしい、名句です。
新涼の咽喉(のど)透き通り水下る/西東三鬼
これも肌感覚だ。
夏と秋の喉の感覚の違いを詠んだ。
新涼の風が喉を爽やかにしたのだ。
普通は外皮の肌感覚を詠むのだが内側を詠むとは、さすが、三鬼。
また、秋澄めりや爽やかを踏まえての一句でもあろう。
新涼のボーイソプラノ運ぶ風/森景ともね
藝術の秋であり、コンサートの秋でもある。
川原の風景か、少年が歌を歌っている。
もしかして練習かも知れないし、路上ライヴかも知れない。
爽やかな新涼の風に少年の声が美しい・・・それに聴き惚れる作者。
私もそのように歌いたいものである。
新涼や皿舐め尽くし猫肥ゆる/鈴鹿仁
猫だって夏バテします。
種類によっては可哀想なほど痩せちゃいます。
そんな猫ちゃんが秋になってやっと食欲を取り戻し・・・。
猫は体重の増減が人間ほど多くないので場合によっては命の危険もある。
食欲が戻れば飼主は一安心ですね。
新涼や紅ひくだけの身だしなみ/内海はるか
女性ならわかる?
夏の盛りは日焼け止めやら、なんとかパウダーやら、汗止めやら、なにやら?(笑)。
しかし、汗をかかなくなった新涼の時期のお化粧は超簡単ですよって事かな?
この感じだと、ほぼほぼスッピンなわけですよね。
この句はご婦人方の意見を是非お聴きしたいモノですね~(笑)。
庭下駄を借り新涼を踏みに出る/山田弘子
お友達の家に遊びにいって不意に庭先で新涼を感じた。
さすが、俳人、再度新涼を体感するべく庭下駄をかりてその新涼の中へ。
身も心も新涼に包まれた満足げな作者が浮かびます。
この新涼の透明感と新鮮さが良いではないですか。
新涼の月へ真白き椅子ひとつ/小澤克己
風流ですね。
夜、椅子を出して、新涼を独り占めしているのです。
月の光も同時に浴びて全身全霊で新涼を感じ取っているのです。
作者の体は闇に溶けています。
浮かぶのは月下の白い椅子のみ。
新涼に身も心も同化して作者は見えません。
秋ゆえの透明感が際立ちます。
新涼や眠りは水のごとく引き/片山由美子
寝苦しい夏から解放されたんですね。
爽やかな柔らかい新涼の風を感じたと思ったら・・・。
あっ、と、言う間に、眠りに落ちた。
水の如く・・・的を射てますね、正にそうですね~。
秋の眠りの深さは幸せの深さですね。

他、秋の季語で自由題。
締切は八月二十九日です。
昼寝。

夏は寝不足や過労になり易い。
また、人によっては食欲不振などの衰弱など。
ゆえに、疲労回復の昼寝が夏の季語となりました。
『昼寝』。
傍題は、午睡、昼寝覚(ひるねざめ)、昼寝起、昼寝人、三尺寝などなど。
ちなみに、傍題の三尺寝とは?
外仕事の職人さん達が、昼飯の後、
日陰で横になり仮眠する姿を三尺寝と言います。
日陰が三尺ほど移る間の短い眠りであるからとの理由です。

怪獣と戦い疲れ昼寝せり/小栗釣月

昼寝猫袋の如く落ちており/上野泰
昼寝覚どこぞ触れ合ふ猫の夢/山県總子
腹ペコの猫パンチ受け昼寝覚/小栗釣月

産み終へて犬の昼寝の深きかな/冨士眞奈美
昼寝せる仔犬腹式呼吸して/渡辺正子
昼寝人犬の寝言に起こさるる/小栗釣月

昼寝起一族郎党神隠/小栗釣月

弾丸や昼寝の出来ぬ戦地かな/小栗釣月
軍歌にて揺り起こさるる昼寝かな/小栗釣月

ウクライナに平和を・・・。
本日(7/28)、作家、山田風太郎の命日。
『僕は小説を書くためにうまれたようなものだ』
『僕は威張るのも嫌いだが威張られるのも嫌いでね』

1922年(大正11年)1月4日~2001年(平成13年)7月28日)
『魔界転生』や『忍法帖シリーズ』が有名。
日本の娯楽小説やSFの元祖と言っても過言ではない。
「ぼくは子供の頃から列外だった、青年になっても列外、いまも列外」
「いまわの際にいうべき一言もなし」
「人生とは余録である」
「人間は青年で完成し、老いるに従って未完成になっていき、死にいたって無となるのだ。」
言葉が深いのであります。
作品あまりに多し。
映画化、漫画化、数多。
まず、読んでみて下さいマセ。
『アンネのバラ』・・・「スヴニール ドゥ アンネ フランク」
byアンネ・フランク。

有名なアンネの日記を知らない人はいないでしょう。

『アンネのバラ』とは、アンネ・フランクの「形見」として捧げられた薔薇の事です。
知ってる人は、スルーして下さい。
有名なお話なので・・・では、『アンネのバラ』の物語の概略を・・・。
ナチスの強制収容所へ『隠れ家』から三家族と一緒に送られたアンネ・フランク。
終戦の直前、不衛生な収容所でチフスにかかり、アンネは十五年の短い生涯を閉じます。
送られた三家族の中で、ただ一人生還できたのが、アンネの父オットー・フランクでした。
オットーは、保管されていた『アンネの日記』を受け取り、出版しました。

そして、運命の出会いが起こります。
ベルギーの著名な園芸家、ヒッポリテ・デルフォルゲがスイス旅行中にオットーと偶然出会います。
デルフォルゲはアンネの日記に感銘を受けており、アンネの為に何かしたいとオットーに申し出ます。
オットーはアンネが野バラを好きだったことを想い出しそれを伝えました。
するとデルフォルゲは、自分が作り出した交配種の中で最も美しいバラをアンネの形見として捧げたいと申し出ます。
オットーは喜んで快諾し、その薔薇は【Souvenir d'Anne Frank :アンネ・フランクの形見】 として品種登録されました。
『アンネのバラ』の為に庭付きの家に引越したオットーは、バーゼルの自宅で『アンネのバラ』を栽培します。
さらに出会いは重なります。
1971年、日本の【しののめ合唱団】と言う聖歌隊がイスラエルに演奏旅行をしました。
その際、海辺のレストランで偶然にもアンネの父オットー・フランクと同席をするのです。
【しののめ合唱団】は、オットーに日本の童謡などを披露します。
それに感激したオットーが10本の『アンネのバラ』の苗木をプレゼントしてくれました。
しかし、日本に届いた薔薇は、なんと、10本のうち9本が枯れていました。
それでも最後の一本が運よく根付き、日本の『アンネのバラ』の起源となります。
『アンネのバラ』は、日本の各地へ愛と平和のシンボルとして寄贈され続けています。
詳しくはググってみて下さい、たくさん出てきます。
さて、その、『アンネのバラ』は、なんと、三度色が変わるのです。
蕾。

開花。

散り際。

守り継ぐアンネの薔薇の三变化(さんへんげ)/小栗釣月
葉は光沢のある緑色。
中輪の花ですね。
優しいオレンジの混合色。
香りは穏やからしい。

アンネの像囲みアンネの薔薇香る/坂田悦子
薔薇は夏の季語です。
盛は疾うに過ぎましたが・・・。
ちなみに、この『アンネのバラ』は四季咲きの薔薇で、
手入れ次第では一年中咲かせることできるそうです。
秋の薔薇も良いものです。

皆さんの町にも『アンネのバラ』があるかも知れませんヨ。
『アンネのバラ』の教会HP⇒世界で唯一アンネを記念する【アンネのバラの教会】


心にアンネのバラを持て戦士よ/小栗釣月
ウクライナに平和を・・・。
