2023/06/06・本日・【芒種】+『螳螂生』+<枇杷届く>
芒種はや人の肌さす山の草/鷹羽狩行

二十四節気・その九・芒種(ぼうしゅ)。

「芒(のぎ)のある穀物、稼種(かしゅ)する時なり」
芒種とは、芒(のぎ)のある穀物、例えば稲や麦など穂の出る穀物の種をまく頃。
芒(のぎ、のげ、「ぼう」、とも)は、イネ科の植物の先端にある棘状の毛の事デス。


ちなみに、沖縄では、前節気の小満と今節気の芒種とを併せて、
スーマンボースー(小満芒種)と呼び、梅雨の意味となるそうです。
では、【芒種】
芒種なり水盤に粟蒔くとせむ/草間時彦
大灘を前に芒種の雨しとど/宇多喜代子
打集ひ何を芒種の鍛錬会/高澤良一
暁の西より晴るる芒種かな/後藤昭女
ごんごんと芒種の水を飲み干せり/夏井いつき
岩清水渾渾と湧く芒種かな/小栗釣月

稲の語源を、命の根ではとの説もありまして・・・日本人の根源でありましょう。
二十四節気・第九・芒種・初候。
七十二候・その二十五[螳螂生(かまきりしょうず)]
さかしげに君が文をば抑へたり柏の葉より青き螳螂/与謝野晶子
子かまきりまこと小さきが斧かざす/金森信子

秋に産みつけられた卵が越冬して、かまきりが生まれ出る頃。
子蟷螂は夏の季語、成虫になったカマキリは秋の季語です。
かまきりは、トウロウとも読みます。
では、子蟷螂。

ほのかなり芦の末葉の子かまきり/日野草城
みじろがぬことを稽古の子蟷螂/後藤夜半
子かまきりこの世に不義理あるやうに/久米なるを
子蟷螂斧上ぐ人を選り切れず/岡本眸
海坂や青斧かざす子かまきり/角川源義
子かまきり三日見ぬ間に大人びて/須賀敏子
門前の虎になりたき子蟷螂/小栗釣月

昨晩(6/5)、七時半頃帰宅して夕食を作っていた時。
「ピンポ~ン」・・・出ると宅配便である。
ありがたやぁ~。
天皇陛下の献上品として名高い房州枇杷だ。
別嬪の房州枇杷の届きけり/小栗釣月
本場の露地ものの高級品。
爽やかで上品な甘味と酸味。
柔らかく豊潤な果汁。
あまりに旨そうなので早速頂いた。
一気に五個もたいらげてしまった(笑)。
枇杷、夏の季語。
実と葉の形が楽器の琵琶に似ていることが名の由来らしい。
枇杷の皮時間をかけて脱がしける/小栗釣月
愛撫して枇杷の果汁を啜りなむ/小栗釣月
枇杷の香や月猶予(いざよ)ふて艶めける/小栗釣月
美味しくいただいております。
ありがとうございました。