10/5・本日・『レモン忌』

高村光太郎の妻、智恵子の命日を言います。

智恵子の臨終をうたった光太郎の詩「レモン哀歌」に因みます。
もう一つの、漢字の「檸檬忌」は、梶井基次郎の忌日[3月24日]ですので、お間違いなく・・・・・・。
『レモン哀歌』
そんなにもあなたはレモンをまってゐた
かなしく白くあかるい死の床で
わたしの手からとつた一つのレモンを
あなたのきれいな歯ががりりと噛んだ
トパアズいろの香気が立つ
その数滴の天のものなるレモンの汁は
ぱっとあなたの意識を正常にした
あなたの青く澄んだ眼がかすかに笑ふ
わたしの手を握るあなたの力の健康さよ
あなたの咽喉に嵐はあるが
かういふ命の瀬戸ぎはに
智恵子はもとの智恵子となり
生涯の愛を一瞬にかたむけた
それから一時
昔山巓でしたやうな深呼吸を一つして
あなたの機関はそれなり止まつた
写真の前に挿した桜の花かげに
すずしく光るレモンを今日も置かう
久しぶりに智恵子抄を・・・。
合掌。
コメントの投稿
minaさん、こんにちわ。
通過儀礼ですね。
>夫の光太郎は詩人で彫刻家で知られていますが…
>妻は、智恵子抄の智恵子であって、
>多くの人の中では洋画家であることが知られていなくて残念です。
その通りですね。
詩として、妻としてだけクローズアップされていますね。
才能あふれる、新進気鋭の若き芸術家だったハズです、。
あの伝説の雑誌『青鞜』の超モダンな表紙絵を描いていたのが智恵子デス。
光太郎のアトリエで同棲をはじめた頃が一番幸せだったのではないでしょうか?
>彼女の描く植物画は決して派手さはないですが色合いなど親しみやすいと私は思っています。
はい、同感です、私も好きです。
そして紙絵も良いですね。
画家として・・・
レモン忌ですか・・・智恵子抄は青春の一時期読みましたね。
夫の光太郎は詩人で彫刻家で知られていますが…
妻は、智恵子抄の智恵子であって、
多くの人の中では洋画家であることが知られていなくて残念です。
彼女の描く植物画は決して派手さはないですが
色合いなど親しみやすいと私は思っています。
godminaさん、こんにちわ。
>ただただ・・・泣けました!
>今、店なので、慌てて化粧を直してます。
あら、それは大変でした。
智恵子抄はなんど読んでも泣けてきますよね。
No title
ただただ・・・泣けました!
今、店なので、慌てて化粧を直してます。