冬の月。
連夜、冬の時を楽しむ。
酔ひそぞろ天には冬の月無言/吉田類
う~ん、日本酒だ。
月夜には、日本酒が良い。
冬の月喉を鳴らせてコップ酒/小栗釣月

真夜中にチラリと雲間から見える冬の月。
寒くても、美しいモノは美しいのでアリマス。
小走りの猫を追いかけ冬の月/小栗釣月
冬の月我こそ猫のストーカー/小栗釣月

ポストへ行く風尖らせる冬の月/岡本千弥
スリッパのひびき止みけり冬の月/南うみを
旅果の賢治の里の冬の月/堀田恵美子
黒猫の悠然と鳴く冬の月/神原徳茂
泣き声の電話の切れて冬の月/小栗釣月

あ~、毎日、ボゥ~と、月だけ眺めていたい。

1982年8月1日~2009年1月24日。
夭折の歌人・笹井宏之の命日。

八月のフルート奏者きらきらと独り真昼の野を歩みをり
風。そしてあなたがねむる数万の夜へわたしはシーツをかける
「はなびら」と点字をなぞる ああ、これは桜の可能性が大きい
ねむらないただ一本の樹となってあなたのワンピースに実を落とす
コメントの投稿
さえきサン、こんばんわ。
まったくです。
なにかしらの使命を帯びて生誕したのでしょう。
> 数年前、彼の残した三冊の歌集を探し求めました。
あら、そうでしたか。
> 最近の若い歌人は、多かれ少なかれ何らかの形で彼の影響を受けていると思います。
そのようですね。
短歌の世界は若い才能がキラキラ・・・。
俳句は・・・う~ん。
> 私が一番好きな歌のいくつかは、第一歌集『ひとさらい』にあります。
> 初めての草むらで目を丸くして何かを思いだしている猫
> 「あの、それはドアではなく空です」と うろたえながらメガホンをとる。
あ~、清々しく、初夏を感じる歌。
三十一文字が長編映画のような輝きですね。
No title
数年前、彼の残した三冊の歌集を探し求めました。
最近の若い歌人は、多かれ少なかれ何らかの形で彼の影響を受けていると思います。
私が一番好きな歌のいくつかは、第一歌集『ひとさらい』にあります。
初めての草むらで目を丸くして何かを思いだしている猫
「あの、それはドアではなく空です」と うろたえながらメガホンをとる。
さぶちゃん大魔王様、こんにちは。
はい。
機会があれば歌集も是非。
> やさしさのいずるところは知らねども か細き生のはかなさを泣く
あら、素敵。
いいですね~。
> ところで先生、冷涼の寒月に、景色としては玻璃の器はあえども、身体のためには少しづつ片口から盃に注ぐか、せめて手鉢で温めたチロリあたりから手に重き土くれに浮かす冬の月としてくださいな。冷えた臓腑になお冷たき悔悟を注ぐのは長寿には禁物ですから。
はい。
そうですね。
この句は遅い時間に帰宅して部屋の中が極寒の中でとりあえず体を温めるためにコップ酒をいっちゃいました。
誠に悪い飲み方で確かに寿命が縮んじゃいますね~、気を付けます。
> 泣き声の深夜の言葉は、できれば朝まで待ちたいし。岡本千弥さん、木枯らしの吹く月の下、明日まで待つことのできぬ投函、思い巡らさせられる句なんですねえ!
はい。
朝どころか結局行きませんでしたね、ゴメンナサイ。
月下に熱き心をしたためた文ですね。
冬の月を溶かしちゃうかも。
オグリン先生へ
やさしさのいずるところは知らねども か細き生のはかなさを泣く
ところで先生、冷涼の寒月に、景色としては玻璃の器はあえども、身体のためには少しづつ片口から盃に注ぐか、せめて手鉢で温めたチロリあたりから手に重き土くれに浮かす冬の月としてくださいな。冷えた臓腑になお冷たき悔悟を注ぐのは長寿には禁物ですから。泣き声の深夜の言葉は、できれば朝まで待ちたいし。岡本千弥さん、木枯らしの吹く月の下、明日まで待つことのできぬ投函、思い巡らさせられる句なんですねえ!