令和五年(2023年)三月、【俳句愛好会・幹】今月の句、落掌致しました。
今年は桜が早かったですね。
暖かいエリアの連衆のBlogでは、
三月の中旬から桜の開花報告ラッシュでした。
なんと、私の城下、二十七日に開花致しました。
いやぁ~、ビックリポンですわぁぁぁぁ。
春爛漫。
さて、今月の俳句愛好会『幹』の兼題は、春の季語、『蝌蚪(かと)』でした。

他、春の季語で自由題。
投稿いただいた会員の皆さんへの、添削&アドバイスは随時。
会報は四月十日ごろまで送付します。
尚、次回の兼題は、春の季語、『風車(かざぐるま)』とします。

意味が違う、ふうしゃ、とも読むからヤヤこしい(笑)。
あたたかき風がぐるぐる風車/正岡子規
早春に多く作られた事から、春の季語となりました。
風車は玩具として、支那から渡来しました。
これが支那の風車らしい・・・ちょっと感じが違いますネ。

平安時代には既に子供の玩具としての記録があります。
五色の紙製のモノが基本だったようです。

室町時代から武士へ、江戸期には庶民に広がります。


雑司ヶ谷鬼子母神の参詣土産でもあり縁起物として流行しました。


今も昔と同じように売られています。

では、例句。

折り紙と待ち針あれば風ぐるま/藤埜(ふじの)まさ志
風車が完成していないのです。
回っていない風車の句は珍しいでしょうね。
でも、明らかに読み手は、瞬時に映像化しているハズです。
制作過程と回り始めた風車を・・・どうです、回り始めたでしょ(笑)。
面白真面目な熟練の名句です。
街角の風を売るなり風車/三好達治
春の街角で風車が売られています。
娘達が小さい時に、春、デパートの入口で風車を買った記憶がある。
さすが詩人であります、「風を売るなり」・・・、う~ん、郷愁を誘うなぁ。
ややキザでもありますがネ(笑)。
風車にもためらひの一二秒/福井隆子
風を受けた風車が回りだすまで、多少のタイムラグがある。
ヨク観察していますね・・・それを、ためらいとした。
詠めそうで詠めませんね。
軋みゐるペットボトルの風車/西畑敦子
玩具の風車では無く、畑に刺さっている風車でしょう。
モグラ対策の為の風車です。
この風車の効果は、音ではなく地中に放つ振動です。
それをモグラが敵だと感じ畑に近づかなくなるとの事。
笑つても泣いても回る風車/高橋将夫
赤ちゃん?が駄々をこねているのか。
母の背に負ぶさっているのではないか。
あやしてもあやしても泣き続けます。
母親の困り顔が浮かびます。
止ることばかり考へ風車/後藤比奈夫
逆もまた真なり(笑)。
本当は、風車は回りたくないんだよ、と、作者は言うのです。
でも、止まっているのは風車ではない。
動いてこそでは?との葛藤が見え隠れします。
からからと水子地蔵に風車/安藤久美子
風車と水子地蔵の句は多い。
この句はシンプルであるがゆえに深い。
そして悲しい。
風車が止まればその余韻に・・・泣き声が・・・。
*水子供養風車(青森市・青龍寺が有名)
風車童女の息の短くて/波戸岡旭
小さな女の子が一生懸命風車に息を吹いている。
でも、肺活量がないから息が続かないので上手く回りません。
ちょっと可笑しくて、ちょっと悲しい。
童女は不満げです(笑)。
よく笑ふ嬰(やや)よく回る風車/見舘定子
この句で想い出しました。
昔は乳母車・・・いや、ベビーカーに風車を付けていたなぁ~と。
春に生まれた赤ちゃん、春風の祝福を受けつつ笑います。
お母さんも笑います、風車も・・・。
風車もう父の手を握らざる/佐藤郁良
作者は、あの俳句甲子園常連校。
開成高等学校国語科教諭であり、俳句部の顧問。
お嬢さんがいるのだろう・・・風車に幼い時のイメージが重なったのか。
女の子は親離れが早い、思春期には父親との接触を嫌う娘も多いです。
父親ってなんか損だなぁ~(笑)。

他、春の季語で自由題。
締切四月二十八日です。
会員以外の方の投稿も大歓迎。
鍵コメやメッセージにて送って頂ければ良いです。
コメントの投稿
きくちゃん、こんにちはぁぁぁぁ。
あ~、わかります。
流行りましたね。
> 当時はいい歌だと思ったけど、今聞くと、えらく昭和だったなあ、という感じ…w
確かに。
でも、あの昭和館は好きですね。
> 心は演歌だけど、曲調と声が違ってたみたい。
千春は演歌ですよ。
かぐや姫もそうかな(笑)。
No title
当時はいい歌だと思ったけど、今聞くと、えらく昭和だったなあ、という感じ…w
心は演歌だけど、曲調と声が違ってたみたい。
同士、さえきサン、こんばんは。
はい、そうなんです。
> 懐かしいです。
> よく作りました。
へぇ~。
器用ですね。
> 折り紙を使うので、最初は4枚羽根だったのですが、そのうち上達して色違い折り紙2枚を使う8枚羽根を作ったりしましたよ。
ほぅ~、
冒頭の藤埜氏の句の通りですね。
> 虫ピンの頭をラジペンで曲げて芯棒にするのですが、無い時はお袋の裁縫箱から待ち針を失敬したりしてよく叱られました(笑)。
なるほど。
まったく一緒。
同じ体験をされたのでしょう。
なんかとても嬉しいです。
No title
懐かしいです。
よく作りました。
折り紙を使うので、最初は4枚羽根だったのですが、そのうち上達して色違い折り紙2枚を使う8枚羽根を作ったりしましたよ。
虫ピンの頭をラジペンで曲げて芯棒にするのですが、無い時はお袋の裁縫箱から待ち針を失敬したりしてよく叱られました(笑)。
さぶちゃん大魔王様、こんにちはぁぁぁぁぁ。
あははは、そうですね。
> スポーツでも全国制覇をすればいいのに!
野球部とかあるんでしょうか(笑)。
> 三好達治さん、気障にも思えるほどに、感受性を言葉に変えるに巧みですねえ!
ですね、器用です。
> 一つサジェストを頂きたいのが、同じ語句で意味の異なる場合、ふうしゃ、かざぐるま、など、明瞭に区別したい場合、仮名表記の方がよろしいのでしょうか?それとも、意味は鑑賞者に考えてもらい、漢字表記で十分通せるものなのでしょうか?
スルドイご質問です。
できれば平仮名がよいかもしれませんね。
ただ、客観的に読み手がわかると判断した場合、私が漢字に直す事もあるとお考え下さい。
> 今朝の習句は漢字表記といたします。
> 風車 出世の今日の モグラ除け
> 陽に溶けて 在りとは見えず 風車
> 音高く ベランダに座す 風車
> 妻の挿す 庭に百均 風車
> カラカラの 風の車の 悲しきを
> 三好先生の気障を目指して練ってみます。
良いです。
全部漢字で大丈夫になっていますね。
さすがです。
ありがとうございます。
後程そちらで。
オグリン先生へ
風車 出世の今日の モグラ除け
陽に溶けて 在りとは見えず 風車
音高く ベランダに座す 風車
妻の挿す 庭に百均 風車
カラカラの 風の車の 悲しきを
三好先生の気障を目指して練ってみます。