夏の蝶。
つまみたる夏蝶トランプの厚さ/高柳克弘

標本へ夏蝶は水抜かれゆく/佐藤文香

小学生の夏休みは昆虫採集に夢中でした。
その中で一番美しかったのは夏の蝶ですね。
小さい昆虫の標本は薬剤で防腐処理はしません。
蝶は、そっとお腹を押すだけで死んでしまいます。
陰干しをして数時間ほど乾かせば完成するワケです。
一本の針のジュエリー夏の蝶/小栗釣月
子供は残酷です。
百の蝶飛び立つ森に青き風/小栗釣月
残念ながら、国蝶のオオムラサキはついに見れませんでした。

しかし、ヒメギフチョウ(現在は採集禁止)を一度採集しましたヨ。

乱心のごとき真夏の蝶を見よ/阿波野青畝
夏の蝶大杉谿を逆落し/鈴鹿野風呂
草々の容をなぞり夏の蝶/高澤良一
夏蝶と並ぶ一瞬北の旅/鈴木六林男
夏蝶をフランス便の切手とす/小栗釣月

ロックフェス夏蝶もユーロビートで/小栗釣月

故郷は死者と夏蝶ばかりなり/小栗釣月
里山の蝶の御三家とは?
オオムラサキ。
ゴマダラチョウ。

ヒオドシチョウ。

皆さん、見たことありますか?

夏蝶も紺紙金泥の経ならむ/水原秋櫻子
再びは見ず夏蝶の谷越ゆを /下村槐太
人がゆく早や夏の蝶夏の草/星野立子
ピアノ舁き入る庭に夏蝶の祝福図/林翔
夏蝶は今際の際の武辺者/小栗釣月

あれこれ明かりが見えてきました。
もう一息です。