その如月の望月の頃・・・・旧暦2/15【西行忌/さいぎょうき】
有名な三夕の和歌のひとつ・・・・知らない人はいないでしょう。
宗祇・芭蕉も、西行に憧れたのです。
そして、今も、人々を旅に誘うのです。
旧暦の2月15日(本当は2月16日らしいけど、釈迦の入滅の日にちなんで、とか?諸説あり)は、
歌聖・・・・・西行法師の忌日です。

出家して法号は円位、のちに西行、大本房、大宝房、大法房とも称しました。
【願はくは花の下にて春死なむその如月の望月の頃】
自ら詠んだこの歌の通り、
如月(きさらぎ・旧暦の二月、今の三月)の桜満開の望月(もちづき、満月の意味)に入寂されたそうです。
西行の逸話は、あまりにも多くて紹介できません。
興味がある人は、本がタクサン出ていますのでお読み下さい。
白州正子「西行」、辻邦生「西行花伝」が読み応えがあります。
西行がいたおかげで、俳句や短歌が後世に残っていると言っても過言ではありません。
芭蕉の奥の細道は、まさしく西行を旅していたのです。

今日ばかり花も時雨よ西行忌/井上井月
ほしいまま旅したまひき西行忌/石田波郷
咲く花に散る花に雨の西行忌/相馬黄枝
亡き父にとどく葉書や西行忌/寺山修司
行く水に花のまぼろし西行忌/角川春樹
つらつらと花の夢見し西行忌/小栗釣月
蛇足、幕末の英雄にして超インテリだった、高杉晋作。
「西へ行く人を慕うて東行く 我が心をば神や知るらむ」と歌い、東行と号した。
もちろん、西へ行く人とは西行のことを言っているワケであります。
西行法師は、死して、なお、人を旅へ、遠くへと、誘うのです。
