蕎麦には山葵が不可欠DEある。

水浅し影もとどめず山葵生ふ/松本たかし

平安時代の書物には、
「山葵」を[和佐比]と記している。
現在は、一般的に「山葵」の名が付く近縁な植物と、
特に西洋山葵と区別するため、日本原産は【本山葵】と呼ぶ。

わさびは多年草で、その根の部分はいつでも収穫することができます。
しかし、あの独特の鼻に抜ける辛味を求める意味では、
寒くなった晩秋から冬にかけてが山葵の誠の旬と言えます。
その時期は、日本蕎麦の旬にピッタリ合うわけですが・・・、
なぜ?山葵は春の季語なのか?ちょっと不思議ですよね。
たぶん清々しいあの緑が春らしいからでしょう。
また、野山の自生種は、春で、私も取りに行きました。
ちなみに、山葵の花、花山葵は夏の季語となります。
山葵と言えば、私などは長野県のイメージが強い、
信州穂高町の巨大な山葵田の風景が思い浮かぶのだが、

匹見ワサビ(島根県益田市)、
安曇野ワサビ(長野県安曇野市)、
有東木ワサビ(静岡市)が、
日本三大ワサビと呼ばれるそうであります。
山葵沢旅の尼僧と出合ひけり/小澤克己
花山葵日照雨はいつも奥嶺より/皆川盤水
入れ変り水飲む小鳥山葵萌ゆ/矢上万里江
山葵田に堰かれてふゆる水の私語/長谷川祥子
混沌を丸く詰めたる山葵漬/中原道夫