7/25・本日・『甘露忌/かんろき』・不死男忌。
鳥わたるこきこきこきと罐切れば
へろへろとワンタンすするクリスマス
三月やモナリザを売る石畳
すみれ踏みしなやかに行く牛の足
子を殴(う)ちしながき一瞬天の蝉
本日・7月25日は、秋元 不死男/あきもと ふじおno忌日です。
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1901年11月3日~1977年7月25日
号は東京三(ひがし きょうぞう)。別号に秋元地平線。
島田青峰に師事し「土上」「天香」に参加。
以下、新興俳句運動に加わり、京大俳句事件に連座して投獄された時の二句。
降る雪に胸飾られて捕へらる
捕へられ傘もささずよ眼に入る雪
戦後は「天狼」参加を経て「氷海」を創刊・主宰。
【甘露忌】
甘露忌に白き風呼ぶさるすべり/木内彰志
甘露忌の一番星を湖の上/長田等
湯に踊る燗徳利や不死男の忌/佐野克男
寸酌を「給油」と呼びし不死男の忌/鷹羽狩行
不死男忌の不意に鳴き出す牛蛙/後藤秋邑
不死男忌の慈雨ふんだんに傘に受く/本宮鼎三
秋元 不死男、
句に妻と母がこれほど出てくる俳人はいませんね。
では、【妻】to【母】のある句を・・・、
銀色の失名賀状妻に来し
細帯の正月妻といふべしや
家の妻瞳に描きがたし青き踏む
母美しとほき干潟にゐてひかり
深く深く組ませし母の荒れし手よ
隠すなき裸身の母をわが拭く手
仏の母に春暁の彩短かかりき
疎んずる蚊帳の妻と子雷遠し
ただ妻の支持のみ確か蟇低音
富士爽やか妻と墓地買ふ誕生日
終戦日妻子入れむと風呂洗ふ
私は、家族で句を詠めません。
少し残念に思います。